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犬を知る Vol.4

公開日:2025/01/10 更新日:2025/02/26

『リードですべてが伝わる』

2024.11.4 SUZUKOUBOU店長のすずあつです。 皆さん、リードってどのように持っていらっしゃいますか? のんびりした環境なのであまり気にせず長くしてます〜という方、または結構な住宅街が毎日のお散歩コースなので短くして持ってるよ〜という方、きっと皆さん様々な理由から、リードの持ち方も様々だと思います。 私も、以前に「クッキー」というビーグルMIXのような犬(13kg・女子)と暮らしていた頃、この子が散歩中に出会う他の犬に吠え掛かる犬だったので、とにかく常にリードは短めにして持っていました。正直なところ、リード長くしてるとロクなことないわーぐらいに思ってました。 ですので、お散歩中リードは常にピーーンと張っていて、犬にテンション掛かりまくりの状態だったわけです。
ですが、20代で犬の勉強を始めてからスウェーデンへ行った際に、強面のトレーナーから「リードに一切テンションを掛けるな」と言われ、非常にビックリした記憶があります。 その時の私の正直な気持ちとしては、「いやいやいやいや、リードを引かないでどうやって犬をコントロールするんだよ」と思ってました。 ですが、そこで様々な課題を抱えるたくさんの犬たちを相手に散歩したり、人から何かをされることに抵抗しまくる犬を一頭一頭ケアをしたり、とにかく世の中すべての事にビビリまくる犬をリハビリしたりと、犬相手に格闘を続けていると、「リードというものは毒にも薬にもなるんだな」ということが、肌感覚で分かってきたのです。 例えば、毒のひとつとしては、「リードアグレッション」といって、リードにテンションが掛かった途端に何かのスイッチが入ってしまったり、リードに繋がれているから相手の犬に近づけないじゃないか!というフラストレーションで攻撃的になってしまったり、犬の行動に悪い影響を与える例です(※すべての犬がそうなるわけではありません)。 ビビリから来る攻撃性を持っている子などは、ドッグランなどでフリーにしてあげると、リードの拘束が無くなるため恐怖心が薄れ(自由に動ける→逃げられるという心理)、ウソのように穏やかになったりすることもあります。 そして反面は、リードの刺激で犬を「リーディング」できるということ。こちらは良い影響の方です。 例えば、前述のうちの「クッキー」。犬を見かけたら吠え掛からないと気が済まない性格なので、これをリードの刺激でやめさせます。 同じような例を、以下の画像で説明します。 これは、私がアメリカで課題を抱える犬の研修を受けた時の画像ですが、犬3頭ともリラックスして歩いているのが、犬たちのボディランゲージで分かりますね。
頭が低く、尻尾も水平、身体全体の高さが水平に保たれ、耳も水平もしくは後ろ、口元もゆるんで、体つきもイイ感じで脱力感が出ています。 ですが、この子たちも何かきっかけがあると「一秒」で豹変します。1秒で一気に沸点まで到達します。 次の画像は、そんな穏やかな散歩中に、左の子が「リス」を見つけた瞬間です! 一瞬で身体つきが変わったのが分かりますね?そうです、この子がチョロチョロ動くリスを見つけて、一気にハンターモードに入った瞬間です。
頭がグッと持ち上がり、耳も上がり、目は一点を凝視。尻尾も立ち上がり小刻みに揺れています。重心もぐっと前脚に掛かり前のめりの姿勢に。もういつでもリスめがけて突進できる体勢です。ちなみに、後ろのボクサーもリスに気付いて「何なら俺らも一緒に!」の状態です笑。 リードで刺激を与えて止めるのは、このタイミングしかありません。 この一瞬を逃すと、あとはもう興奮MAXとなり、後の祭りです。沸点まで上り詰めた心理を元に戻すのは、そう簡単ではありません。 ここで、一気にリードを引いて犬に刺激を与え、人の存在を気付かせ、ハッと我に返ってもらう必要があります。 リードで刺激が入った時の画像が、こちらです。
リスを凝視していた目線が外され、重心も後ろへ動き、耳も後ろに倒されました。「あ、やべぇ・・」という表情です笑。この時、左の2頭も何なら一緒に行っちゃる!という感じだったのを、私が左足で牽制しています。 これが「良い刺激」としてのリード使いです。 リスに突進する行動自体は、犬の本能として当たり前のことなので、決して「悪い」わけではありません。ただ、人と一緒に暮らしていくのに、これをやってもらっちゃ私たちは困るわけです。 ですので、これは人と暮らすルールとしてはNGだよということを、リードを使って犬に伝えていきます。
ハンターモードが消え失せ、一気にテンションダダ下がり〜。「ヤバかった。オレ、やっちゃうとこだった!」「んだ。んだ。」という犬たちの会話が、ボディランゲージを通して聞こえてきませんか? この時に大切になってくるのが、「リードの持ち方」です! 私が今回いちばんお伝えしたいところは、ココです。 1つめは、リードの持ち方による「テンション」について。 リードを常に短く持った状態で、犬にテンションを掛け続けていると、咄嗟の時にリードからの刺激が伝わりにくくなり犬をコントロールできませんし、犬も不快感からフラストレーションが溜まってきます。 上の4つの画像でも、刺激を入れた時以外は、「常にリードをたるませている」ことが分かりますよね?この「通常はリードにテンションを掛けず常にたるませる」ことが非常に大切なポイントなのです。 そして2つめの大切なポイントは、今回のタイトル「リードですべてが伝わる」です。 犬はリードを通して、リードを持っている人の心理をダイレクトに感じています。感度はめちゃくちゃ高いです。 例えば、散歩中に「向こうから犬が来た」→「うちの子、大丈夫かな?」と思わずリードを短めに握り直したりすること、ありますよね? この行動に、犬はとても敏感に反応します。 「あ、ママンがリードを短く握り直した。向こうから犬が来てるからかな。きっとアイツ変な奴に違いない。アタシもそのつもりで準備しとかないと」 「パパンが発する空気が変わった。なんか緊張してるみたい。これから何かが起こるんだ。何があるんだ?何か来るのか?見つけたらオレが即座にやっちゃる!」
特に、犬が周りの安全確認において、飼い主を信頼していない場合、つまり日頃「コイツに任せておけねぇ」と残念ながら思われている場合、このリードから伝わる飼い主の緊張や不安が、犬のガード本能のスイッチをオンにし、→途端に吠えまくる犬に変身させることがあります。 というように、犬はリードのテンションや引き具合、動きなどに即座に反応し、一瞬で心理状態を変えます。 つまり、今まで穏やかな気持ちで歩いていたのに、飼い主の心理がリードを伝わって悪影響を及ぼし、犬の攻撃性や不安症などを誘発させていることが、結構多いのです。よく「犬は飼い主に似る」と言ったりしますが、あれはこういうことでもあるのです。 どうでしょう?皆さま、思い当たることはありますか? こういった私たちの日頃のリード使いが犬たちに悪影響を及ぼさないよう、知らず知らずに散歩中にやっていた自分のクセなど、ぜひ一度振り返ってみて下さい。意外と思い当たることがあるものです。 私も、自分でも気付いていなかったクセが結構あり、それが犬のスイッチを押してしまっていることが分かり、その時は本当に愕然としました。 皆さんに見直していただきたいのは、安全が確保された上での散歩中のリードは、「出来る限りたるませる」こと。リードにテンションをかけないことで、犬が穏やかな心理状態でいられます。 そして、犬が何かをやらかしそうな時は、やらかす前に(あとでやってももはや意味はありません)、リードでテンションを掛け刺激を与えたり、犬のスペースを奪うなどして、ハッと犬を我に返すこと。 可愛い「太郎」から⇒ただの「犬」になりかけていた子を、元の心理状態に引き戻すことです。 この2点を心掛けることで、犬の心理もガラッと変わったり、私たちの気持ちにもゆとりが生まれたりします。 ぜひ心掛けていただいて、犬にも人にも楽しいお散歩を!