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きらり31とは?味・色・特徴を茶商が解説

公開日:2026/09/22 更新日:2026/09/22
「きらり31って、どんなお茶?」 「さえみどりとは何が違う?」 「新しい品種みたいだけど、おいしいの?」 きらり31(Kirari 31)**は、宮崎県で育成された比較的新しい日本茶品種(Japanese tea cultivar)です。 親は、 「さきみどり」×「さえみどり」 高品質品種として知られる「さえみどり」を親に持ち、旨味、色、収量、耐寒性などをバランスよく備えています。 山麓園で実際に茶葉を見て、飲み比べてきた印象では、 さえみどりのやさしい旨味に対して、きらり31は少しキリッと輪郭のはっきりした旨味。 非常に品質が高く、今後さらに注目されると考えている品種のひとつです。 この記事では、きらり31の生まれ、味、色、さえみどりや「はると34」との違い、茶商として実際に見てきた市場評価まで分かりやすくご紹介します。

きらり31の生まれ

きらり31は、宮崎県で育成された緑茶用品種です。 交配は、 さきみどり × さえみどり 1994年に交配され、長い選抜・試験を経て、2016年に品種登録されました。 摘採時期は「やぶきた」よりやや早い早生品種です。 また、 ・高品質 ・多収 ・早生 ・耐寒性に優れる ・煎茶だけでなく被覆茶にも向く といった特徴を持っています。 特に注目したいのが、親の「さえみどり」です。 さえみどりは、鮮やかな緑色と上品な旨味で高く評価される品種で、近年は多くの新品種の親として使われています。

どんな味?

きらり31は、渋味や苦味を強く感じるタイプではありません。 良質なものでは、 ・豊かな旨味 ・比較的穏やかな渋味 ・しっかりした味の輪郭 ・すっきりした後味 を楽しめます。 山麓園で実際にさえみどりと比較すると、味の方向には少し違いを感じます。 さえみどりは、やさしく、丸く、上品な旨味。 それに対して、 きらり31は、少しキリッとして、旨味の輪郭がはっきりしている。 という印象です。 もちろん、産地、茶期、被覆、蒸し方などによって味は変わります。 それでも品種として比較すると、さえみどりより少し芯のある味を感じやすいと考えています。

茶葉は濃い緑色

さえみどりと比べれば、水色は少し黄みも

きらり31の茶葉を見てまず感じるのが、 緑色の濃さ です。 良質な一番茶や被覆した茶葉では、非常に濃厚な緑色になります。 この点は、親である「さえみどり」の特徴を受け継いでいることを感じさせます。 ただし、実際にお湯を注いだときの「水色(すいしょく)」は少し違います。 山麓園で実際に見てきた印象では、きらり31は茶葉そのものは非常に濃い緑色ですが、抽出するとさえみどりより少し黄色みを感じることがあります。 水色の鮮やかさだけを比較するなら、現在のところ山麓園では、 さえみどりの方が一段優れている と見ています。 一方、深蒸し茶に仕上げると、細かな茶葉がお湯に広がるため、きらり31も濃く鮮やかな緑色になりやすくなります。 ※掲載している動画の茶葉は深蒸し仕上げではありません。そのため水色はやや黄緑色ですが、深蒸しに仕上げたきらり31では、より濃厚で鮮やかな緑色を楽しめます。

さえみどりとの違い

きらり31とさえみどりは、どちらも高品質なお茶を作りやすい品種です。 山麓園での印象を簡単に比較すると、 【さえみどり】 ・やさしく上品な旨味 ・甘味を感じやすい ・渋味が穏やか ・水色が非常に鮮やか ・まろやかな口当たり 【きらり31】 ・旨味がしっかりしている ・少しキリッとした輪郭 ・渋味は比較的穏やか ・茶葉の緑色が濃い ・すっきりした後味 という違いがあります。 「上品でやさしい味」が好きなら、さえみどり。 「旨味は欲しいけれど、もう少し輪郭のある味」が好きなら、きらり31。 という選び方もできます。

はると34との違い

きらり31には、非常によく似た血統を持つ品種があります。 それが、 「はると34」 です。 きらり31は、 さきみどり × さえみどり 一方、はると34は、 さえみどり × さきみどり です。 つまり、同じ2品種を親に持ちながら、父親と母親が逆になっています。 品質もよく似ており、どちらも非常に優秀な品種です。 山麓園で市場や実際の茶葉を見ている限りでは、現在はきらり31の方が流通量が多い印象です。 品質についてはかなり近く、個人的には「はると34」の方をほんの少し上に見ています。 ただ、その差は小さく、どちらも非常に優れたお茶を作る品種だと考えています。

市場価格は高め?

きらり31は、茶市場でも比較的高値で取引されることの多い品種です。 新品種として市場に出始めた頃は、希少性もあり、かなり高い価格で取引される茶葉も見られました。 その後、栽培や流通が少しずつ増えたことで、山麓園が市場を見ている限りでは、価格もやや落ち着いてきた印象があります。 それでも一般的な品種と比べれば、高値になりやすい品種です。 一方、現在も「さえみどり」とは市場価格に差があります。 さえみどりは、水色、旨味、需要などを含めて評価が非常に高く、特に良質な一番茶ではかなり高額になります。 しかし品質だけを比較すると、 きらり31は、さえみどりとの価格差ほど品質に差があるとは感じません。 良い原料に当たれば、非常に優れたお茶になります。 ※市場価格は年度、産地、茶期、品質、需給などによって大きく変動します。

抹茶にも期待

きらり31は、煎茶だけでなく、被覆茶でも高い品質を発揮する品種です。 山麓園では、 抹茶原料としてもかなり期待できる品種ではないか と考えています。 理由は、 ・茶葉の緑色が濃い ・旨味がしっかりしている ・渋味が比較的穏やか ・被覆栽培との相性がよい ・味の輪郭がはっきりしている といった特徴です。 さえみどりの抹茶が、 「やさしく、上品で、まろやか」 という方向なら、 きらり31では、 もう少し輪郭のある旨味を持った抹茶 になる可能性があります。 抹茶ラテなど、牛乳と合わせる用途でも、この少しはっきりした味がプラスになるかもしれません。 ただし、抹茶の品質は品種だけで決まりません。 被覆期間、摘採時期、碾茶製造、火入れ、粉砕方法などによって大きく変わります。 そのため「きらり31だから必ず高品質な抹茶になる」という意味ではありません。 山麓園として、今後の抹茶原料として非常に期待している品種のひとつです。

こんな方におすすめ

きらり31は、次のような方におすすめです。 ・旨味のある緑茶が好き ・さえみどりが好き ・渋味の強すぎないお茶が好き ・少し輪郭のある味を楽しみたい ・濃い緑色の茶葉が好き ・新しい日本茶品種を飲んでみたい ・品種の違いを飲み比べたい 特に、さえみどりを飲んだことがある方にはおすすめです。 似た方向の高品質品種でありながら、 「さえみどりはやさしい」 「きらり31は少しキリッとしている」 という違いを感じやすいと思います。

まとめ

きらり31は、 さきみどり × さえみどり から生まれた、宮崎県育成の高品質な早生品種です。 大きな特徴は、 ・豊かな旨味 ・比較的穏やかな渋味 ・少し輪郭のある味 ・濃い緑色の茶葉 ・高い製茶品質 ・被覆茶にも向く ・抹茶原料としても期待できる という点です。 水色の鮮やかさでは、山麓園では現在のところ「さえみどり」の方を上に見ています。 市場価格についても、さえみどりの方が高値になりやすい傾向があります。 しかし実際の品質を見ると、 価格差ほどの品質差は感じません。 非常によくできた品種です。 さらに、同じ「さきみどり」「さえみどり」を親に持つ「はると34」とも品質的に近く、これからの日本茶、そして抹茶原料としても非常に楽しみな品種です。 日本茶を「産地」だけでなく、 「品種」で選ぶ。 きらり31は、これからぜひ覚えておいていただきたい品種のひとつです。