ここからは、Me TIME FOODSが「完全栄養」をどう定義しているのかを、できるだけきちんとお話しします。
私たちの定義は、こうです。
後期高齢者(75歳以上・活動レベルⅠ)を基準に、kcalあたりで33種類の栄養素の充足率100%を満たすこと。
少し、噛み砕いて説明します。
1. 基準は、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
国が出している、もっとも信頼できる栄養基準を採用しています。私たちが勝手に決めた数字ではありません。
2. 対象は、後期高齢者(75歳以上)の活動レベルⅠ
「活動レベルⅠ」というのは、高齢者施設で自立に近い状態で過ごしている方や、ご自宅でほとんど外出されない方を想定しています。日常的に重い運動はしないけれど、家のなかで普通に過ごしている、というイメージです。
3. 男女人口比に基づく加重平均で算出
総務省統計局のデータに基づき、75歳以上の男女比で加重平均を取り、一日あたり1,609.84kcalという基準値を出しています。男性向け・女性向けで分けるのではなく、シニア全体の"平均的な必要量"を一本化しているのが特徴です。
4. kcalあたりで充足率100%を満たす
これが、Me TIME FOODSの定義の核です。「一食で一日分の栄養」ではなく、「食べたカロリーぶん、必要な栄養がちゃんと摂れている」という設計。
これについては、次の章でもう少し詳しくお話しします。
5. 33種類の栄養素
たんぱく質・脂質・炭水化物・食物繊維、そしてビタミン13種、ミネラル15種。あわせて33種類。「日本人の食事摂取基準」が定める主要な栄養素を、漏らさず網羅しています。
6. ただし、過剰摂取リスクのある成分は配慮
脂溶性ビタミン、リン酸、塩分など、摂りすぎると体に負担になる成分については、上限を意識した設計にしています。「100%満たせばいい」ではなく、「摂りすぎないこと」も同じくらい大事だと考えています。
7. たんぱく質とビタミンDは、特に強化
フレイル予防の観点で重要な、たんぱく質とビタミンDは、シニアの体に必要なぶんを意識的に多めに配合しています。ここはMe TIME FOODSのこだわりが一番出ているところです。
以上が、Me TIME FOODSが考える「完全栄養」のかたちです。
なぜ「kcalあたり」で考えるのか
Me TIME FOODSの定義のなかで、いちばんユニークなのが、この「kcalあたり」という考え方です。
世の中の完全栄養食の多くは、「一食で一日に必要な栄養の○○%」という表記をします。たとえば「一食で1/3」とか、「一食で50%」とか。
これ、よく考えると、けっこう不思議な設計なんですよね。
だって、人によって一日に食べる量って、ぜんぜん違いませんか。
体の大きい男性と、小柄な女性。働き盛りで動き回る人と、家でゆっくり過ごす人。元気でしっかり食べられる方と、最近食が細くなってきた方。
シニアの方ならなおさら、一日1,200kcalで足りる人もいれば、1,800kcal必要な人もいます。「一食で◯%」と固定された設計は、その人の体や食事量に合わせて柔軟に使うのが、ちょっと難しい。
だから私たちは、「食べた分だけ、必要な栄養が比例して摂れる」という設計にしました。
「一食」という単位で縛らず、「カロリー」という単位で考える。地味な違いに見えるかもしれませんが、これがシニアの食事を支えるうえで、私たちが大事にしている設計思想です。
完全栄養は、目的じゃない。手段だ。
ここまで、ちょっと堅い数字や設計の話をしてきました。
でも、最後にどうしてもお伝えしたいことがあります。
完全栄養は、私たちにとって目的ではありません。手段です。
Me TIME FOODSの完全栄養設計は、緻密につくられています。33種の栄養素、kcalあたり充足率、フレイル予防の観点、過剰摂取への配慮。何百回を超える試作の上に成り立っています。
でも、それが何のためかと言うと——「今日もちゃんと食べてくれた」という、たったその一言のためです。
数字の上で完全栄養でも、おいしくなければ食べてもらえない。続けられなければ意味がない。「介護食」のラベルが貼られているだけで、お年寄りの誇りを傷つけてしまうことだってあります。
だから、Me ICEもMe SOUPも、完全栄養という土台の上に、必ず重ねているものがあります。
おいしさ。食べやすさ。ふつうの食卓にとけこむデザイン。
冷たくてやさしいアイスにしたのも、お湯を注ぐだけで完成するスープにしたのも、栄養補助食品らしくないパッケージにしたのも、全部そのため。
完全栄養を、「数字を満たすだけのもの」では終わらせたくない。その先にある、食卓の風景まで、私たちは設計したいと思っています。