台湾に50回以上通って出会った“意味を持つお香”の話
公開日:2026/06/26台湾にはこれまで50回以上行っています。
仕入れのためでもあり、単純に好きで通っているのもありますが、その中でずっと変わらず通っているお香屋があります。
それが、除障香本舗です。
最初に行ったとき、正直に言うと「少し独特なお店だな」という印象でした。
店内には大きな祭壇があり、お香はただ並べて売られているのではなく、一度そこに供えられています。
いわゆる“商品”というよりも、もっと意味のあるものとして扱われていました。
台湾では、お香は単なる香りではなく「空間を整えるもの」として使われています。
日本のように“香りを楽しむ”だけではなく、祈りや習慣の中で自然に使われているものです。
その中でも「除障香」と呼ばれるものは、文字通り“障を取り除くための香”です。
良くない流れや、重たい空気をリセットする。そういう意味を持って使われています。
この除障香をプロデュースしているのが達陽居士という人物です。
いわゆる調香師というよりも宗教的な背景を持つ側の人で、意味や考え方をベースに香を作っています。
ただ香りを良くするためではなく、「どういう場面で使うか」まで含めて設計されている。
ここが、一般的なお香との大きな違いだと感じています。
実際に焚いてみると、最初は少し独特に感じるかもしれません。
甘さが強いわけでもなく、いわゆる“いい香り”とも少し違う。
ただ、不思議と空間の印象が変わる。
言葉で説明しきるのは難しいですが、何度も使ううちに「これか」と感じる瞬間があります。
もちろん、感じ方には個人差があります。
ただ、これだけ長く台湾に通ってきて、いろいろなお香を見てきた中でも、
「これは違うな」と思って今も扱い続けているのがこのお香です。
今では正規取扱店として直接仕入れをしていますが、これは単に商品としてではなく、背景や考え方も含めて伝えたいと思ったからです。
お香は“正解を探すもの”ではなく、自分に合うものを見つけていくものです。
ただ、もし「いつものお香と少し違うものを試してみたい」そう思ったタイミングがあれば、
こういう世界もある、ということを思い出してもらえたら嬉しいです。