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綿95%。では、残りの5%は何のため? コラム040

公開日:2025/09/04 更新日:2026/10/20
下着の素材欄で「綿95%」を見ると、綿がたくさん入っていることには目が留まります。でも、その隣に小さく書かれた「ポリウレタン5%」は、つい読み飛ばしがち。残りもののように見えるこの5%にも、実は役割があります。素材表示を、点数ではなく布の自己紹介として読んでみましょう。

95点と5点の話ではない

「綿95%なら、あと少しで100%なのに」。数字だけを眺めていると、そんなふうに考えたくなります。けれど、素材の割合はテストの得点ではありません。綿100%を頂上にして、ほかの素材が混ざるほど評価が下がる、という読み方は少し違います。 混用率は、その生地に何の繊維がどれくらい使われているかを知るための表示です。消費者庁の案内では、質量の割合を百分率で示すものとされています。数字の大きさは、役割の大きさと同じではないのです。 まずは「何%か」だけでなく、「何と何が組み合わされているか」まで読んでみる。素材欄が少しだけ、具体的なものに変わります。

少ないほうにも、仕事がある

今回のショーツの身生地は、綿95%、ポリウレタン5%。ポリウレタンは、伸び縮みする性質を持つ繊維です。日本化学繊維協会も、その性質を生かし、ほかの繊維と組み合わせて使われる素材として紹介しています。 少量だから、おまけというわけではありません。綿を主体にした生地へ、伸縮性を持つ繊維を組み合わせる。そんな役割分担として見ると、5%の文字にも意味が見えてきます。 ただし、「5%ならこのくらい伸びる」と、製品の伸び率へ換算できるわけではありません。繊維の割合と、完成した生地の動き方は別の話。数字を一つ知っただけで、着心地の答えまで出さないのが読み解くコツです。

同じ綿混でも、同じではない

同じレシピの名前でも、作る人や切り方で料理の印象が変わるように、素材名と割合だけでは布の表情をすべて言い表せません。 生地を手に取ると、薄手か厚手か、表面がなめらかか、編み目が見えるか、といった違いも気になるはずです。下着になれば、縫い目が触れる位置やウエスト・足口の作りも加わります。 「前の一枚と同じ混率だから、きっと同じはず」と期待したのに、着ると違う。そんな時は、表示が役に立たないのではなく、表示だけでは分からない部分もある、と考えてみてください。混率は入り口であって、試着した感覚そのものではないのです。

身生地とレースは、別の欄

もう一つ見落としやすいのが、素材名の前にある「身生地」「レース部分」といった小さな見出しです。 製品には、部位ごとに素材を分けて示す表示があります。今回の商品CSVでも、身生地の綿95%・ポリウレタン5%とは別に、レース部分はナイロン90%・ポリウレタン10%と記載されています。 つまり、「綿95%」をレースや付属部分まで含む一枚全体の説明と読み替えることはできません。知りたいのが身生地なら身生地の欄を、レースならレースの欄を読む。「どこの数字?」と一度立ち止まるだけで、情報の取り違えを減らせます。

肌ざわりは、採点しなくていい

素材の知識が増えると、正解の組み合わせを一つ探したくなることがあります。でも、毎日の下着に必要なのは、素材名を覚えた優等生になることではありません。 表示で素材を確かめたら、自分のサイズに合うか、縫い目やレースの当たりが気にならないか、座ったり動いたりした時に無理がないか。数字とは別に、体で確かめたいこともあります。 綿が多いから誰にでも合う、化学繊維が含まれるから合わない、と一律には決めない。刺激や不快感を覚えた時は、その感覚を優先して無理をしない。表示は自分を説得する材料ではなく、自分に合うものを探す手掛かりです。

次に見るのは、数字の隣

次に素材欄を見る時は、綿の割合の隣にある繊維名と、その表示が指す部位まで目を向けてみてください。「少ししか入っていないのに何のため?」という疑問が、布を知る入口になります。 素材を確かめる実例として、綿混の吸水パッド対応ショーツを紹介します。kprcs00は単品、kprcs30は同仕様の3色組。身生地とレースでは組成が異なり、市販の吸水パッドを付けて使用する設計です。 素材の混率は、パッドの吸水量や漏れにくさを表す数字ではありません。用途、サイズ、商品ごとの注意事項も別に確かめてください。 95%を見た後、残りの5%にも目が留まる。たったそれだけで、いつもの下着選びに新しい読み方が一つ増えます。 参考資料:消費者庁「繊維製品の表示について」、日本化学繊維協会「化学繊維の種類」。出典URLと確認箇所は同梱の制作記録に記載しています。
  • 更新日:10/26(10/19〜10/25集計)