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冬のパチパチ事件。服の内側にも容疑者が? コラム038

公開日:2025/09/02 更新日:2026/10/19
コートを脱ぐとパチパチ。ニットを脱ぐと髪まで参加する。冬の静電気事件は、だいたい着替えの途中で起きる。 犯人はこのセーター、と言いたくなるけれど、捜査はそこで終わらない。上着とニット、ニットと肌着。服の内側にも、擦れ合う組み合わせがあるからだ。今日は素材表示を、ちょっと違う目で読んでみよう。

セーターだけを疑わない

パチパチした服を一枚だけ悪者にすると、次も似たことが起きるかもしれない。静電気には、物が触れたり擦れたりすることと、電気がたまりやすい環境が関わる。 冬は重ね着が増え、空気も乾燥しやすい。暖かさのために重ねた服が、歩くたび、腕を動かすたび、少しずつ擦れる。外側から見えない肌着も、その組み合わせの一員だ。 だから捜査対象は服の名前ではなく、『何と何が触れていたか』。引き出しの肌着にも、一度事情を聞いてみたい。

素材には組み合わせがある

素材によって電気の帯び方に傾向があり、その並びを帯電列という。一般には並びの離れた素材同士ほど、摩擦で静電気が起きやすくなるとされる。 花王の説明では、アクリルとポリエステルは近い組み合わせの例、アクリルとナイロンは離れた組み合わせの例として挙げられている。化学繊維をひとまとめにして『全部悪い』とする話ではない。 ただし、並びは測り方で異なることもある。混紡や加工、湿度も関わるので、『この組み合わせなら絶対に起きない』という判決までは出せない。

肌着の素材も事情聴取

ニットの表示は見たことがあっても、肌着はいつものもの、で済ませていたりする。けれど、肌着とニットも直接触れ合う。外側のコートだけ調べても、内側の組み合わせは残る。 まずは上に着る服と肌着、両方の素材表示を見る。綿混を選択肢に入れることはできるが、綿が多ければ静電気が必ず消える、とは言えない。 いつもパチパチする服の組み合わせを覚えておき、違う肌着に替えた日にどう感じるかを見る。大がかりな実験より、暮らしの中の小さな比較から始めていい。

乾いた部屋も共犯かも

同じ服でも、日によって感じ方が違う。そんなときには、服以外の条件も考えてみたい。乾燥した空気では静電気がたまりやすく、暖房中の室内も見直す対象になる。 部屋の湿度を確かめることや、衣類の取扱い表示に従って静電気対策のできる柔軟仕上げ剤を使うことも、選択肢として紹介されている。素材を替えるだけで全部解決させようとしなくていい。 服は好きなのにパチパチが困る。ならば、その服をすぐ処分する前に、組み合わせと環境を一緒に考えてみよう。

最悪の組み合わせは一つ?

『いちばんダメな組み合わせを教えて』。検索するときは、そう聞きたくなる。けれど、素材の名前だけで、すべての服に共通する最悪ランキングは作りにくい。 同じポリエステルでも生地や加工は違うし、ニットも単一素材とは限らない。何枚も重ねれば、擦れる相手も増える。帯電列は、犯人を断定する名簿より、確かめる方向を教えてくれる地図として使いたい。 冬のおしゃれを制限するための知識ではない。好きな服を着る日の、困りごとを減らす手がかりだ。

暖かさと素材を一緒に見る

肌着を選び直すなら、暖かさの説明と素材表示を一緒に見る。関連商品は綿95%・ポリウレタン5%のタートルネックインナーで、微起毛と吸湿発熱が特徴。単品と3色組がある。 この商品に静電気防止性能があると確認したわけではなく、パチパチをなくす商品として紹介するものではない。上に着る服との素材の組み合わせを考えるときの、綿混肌着の候補として見てほしい。

事件は内側から見直せる

セーターに容疑をかけたところから始まった捜査は、肌着と室内の空気まで広がった。一枚だけを犯人にするより、少し納得できる。 次の着替えでは、上の服だけでなく内側の表示にも目を向けてみる。好きな冬服はそのままに、組み合わせを考える余地はある。 なお、私の性格がパチパチの原因だった、という証拠は今のところ見つかっていない。
  • 更新日:10/19(10/12〜10/18集計)