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気になる!柑橘系フルーツと薬の相互作用 | にっぽん津々浦々

公開日:2026/07/08 更新日:2026/07/08
汗ばむ暑い日が続き、さっぱりとしてみずみずしい柑橘類などの果物が恋しい時期となってきましたね。真夏に冷房にあたりすぎて寒暖差で体調を崩してしまう、という方も多いのではないでしょうか。 ところで皆さんは、病院にかかって薬局でお薬をもらったときに「グレープフルーツジュースといっしょに飲まないように注意してください」と言われたことはありませんか?一部の降圧剤や脂質異常症治療薬などの薬には、グレープフルーツジュースとの相互作用があるため注意が必要なことが知られています。
しかし、そもそもなぜグレープフルーツ、しかもジュースなのでしょうか。ほかの柑橘類ではどうなのでしょうか?ジュースではなく生のままやジャムなどの加工品は?私も薬局で働いていたとき、そう疑問に思う患者さんと出会うことがありました。 今回は、そんな薬とグレープフルーツジュースとの関係や、ほかの柑橘ではどうなのか、お薬を飲んでいても安心して食べられる柑橘について解説していきます。

薬の分解メカニズム

まず、ヒトの体の中の小腸には、服用した薬を分解する酵素(代謝酵素:CYP3A4)があります。薬を服用すると、主にこの酵素などが薬を分解するため、次第に薬の効果がなくなっていくのです。 グレープフルーツには「フラノクマリン類」という成分が含まれているのですが、このフラノクマリン類には、先ほどの小腸の酵素の働きを止めてしまう作用があります。 その結果、本来なら分解されて排泄されるはずだった薬の成分が体に吸収され、血液中の薬の濃度が通常より高くなることで、副作用が強く出やすくなってしまうのです。

フラノクマリン類について

フラノクマリン類はグレープフルーツだけでなく、多くの植物に含まれています。 この成分は実の部分よりも果皮に多く含まれているため、果皮ごとつぶして濃縮して作ることが多いグレープフルーツジュースは、生の実の部分しか食べない場合よりもフラノクマリン類が多くなってしまいます。グレープフルーツ「ジュース」に注意が必要とされているのは、このためです。 そのため、果皮ごと煮つめたマーマレードジャムや、果皮の砂糖漬け(ピール)なども、摂取量によっては影響がある可能性があります。 さらに同じグレープフルーツでも、ホワイト種はルビー種よりもフラノクマリン類の含有量が多いなど、種類だけでなく産地や収穫時期によっても違いがあるといわれています。

いろいろな柑橘とフラノクマリン類

また、同じような柑橘類でもフラノクマリン類を含む量には違いがあります。 これまで、グレープフルーツジュースと同じようにフラノクマリン類が多く含まれ、注意が必要とされているのは、夏ミカン・ダイダイ・サワーオレンジ・文旦・スウィーティー・ハッサク・晩白柚・金柑・ライムです。 逆に、フラノクマリン類の含有量が少なく、薬には影響が少ないと報告されているのは、温州みかん・カボス・バレンシアオレンジ・マンダリンオレンジ・ネーブルオレンジ・日向夏・レモン・ユズです。 どれも一度に大量に摂取するものではありませんが、心配な場合は薬を服用している間はほかのジュースやジャムなどで代用する方がいいでしょう。

フラノクマリン類と時間

「それなら、グレープフルーツジュースと薬を一緒に飲まなければ大丈夫でしょう?」と思う方もいるでしょう。 しかしじつは、フラノクマリン類の作用は、摂取後およそ2~3日(十数時間~4日)も持続するといわれています。そのため、数日前に飲んだグレープフルーツジュースが、薬に影響する可能性もあるのです。 ただし、薬ごとに影響の強さや必要な時間の間隔が異なるため、「何日後なら飲んだり食べたりしてもきっと大丈夫!」と自己判断はせず、必ずかかりつけの医師や薬剤師に相談するようにしてください。
普段から健康で、薬を飲まないに越したことはありませんが、どうしても必要な時もあります。果物のジュースといえど、体と薬に影響を及ぼす可能性があることも知ったうえで、おいしく安心して味わっていきたいものですね。
むすたーはむ ナチュラルフードコーディネーター×薬剤師 薬剤師として病院や薬局勤務後、出産を機に主婦へ。 子どもの食物アレルギーをきっかけに、グルテンフリーの米粉パン作りやヘルシーな植物性素材のレシピに興味をもち、ナチュラルフードコーディネーターの資格を取得。 現在は4人育児のかたわら、アレルギー対応や、プラントベースのレシピ発信を続けています。

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