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【生産者紹介:藤山水産加工】テクノロジー企業が挑む水産業。白糠町老舗の新たな船出

公開日:2026/06/26 更新日:2026/06/29

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北海道白糠町で40年にわたり営まれてきた藤山水産加工は、後継者不在を理由に2025年秋、やむなく営業を停止しました。その歴史ある事業を引き継いだのが、IoTソリューションを手がけるエコモット株式会社(本社:札幌市)です。なぜ、テクノロジー企業が水産業への参入を決断したのか?その背景と想いについて、エコモット株式会社 取締役 経営管理本部長であり、株式会社藤山水産加工 代表取締役を務める武田研輔さんに話を伺いました。

エコモットはテクノロジーで社会課題を解決

エコモットはテクノロジーで社会課題を解決する会社 武田さん:エコモットの原点は、“見えないムダ”の可視化です。最初の主力サービスは融雪装置遠隔制御という、ロードヒーティングの遠隔監視でした。積雪量の多い札幌市では、ロードヒーティングがインフラとして必須ですが、少し雪が降っただけでヒーターが稼働し、温まった頃には雪が溶け切っている。そんな降雪量とヒーター稼働のミスマッチによる「空焚き」が頻発していて、調べたところ、何と7割ほどが無駄な稼働だったんです。その“無駄”を制御するシステムを開発し、エネルギーコストを大幅に削減。導入費用は数百万円規模ですが、2〜3年で回収できるビジネスモデルを確立しました。空焚きをしないということには、環境にも優しく、エコですよね。 その後、同社は建設業界へ進出します。 例えば土木工事の現場には屋外に資材を積んでいます。資材の監視をカメラでするようにしたところ、これまで現場監督が走って様子を見に行く必要があったのですが、その苦労がなくなりました。また、現場で働く人の熱中症予防策として、全員の体温・心拍数などのバイタルが現場監督の持つ端末で確認できる仕組みを作りました。これは今後、学校の運動会や部活動の場にも活用できます。

北海道育ちの企業だから、北海道を守りたい

北海道生まれ・北海道育ちの企業だから、北海道を守りたい 当社の提供するソリューションは、「省エネ化」と「省人化」。 それを使って社会課題を解決し、社会に貢献していくことを目指していますが、特に「北海道の価値を守りたい」という気持ちがあります。 北海道といえば、一大観光都市。そして観光客が期待するのは「食」だと思うんです。「北海道で最高の海鮮丼を食べたい」そのモチベーションで人々は北海道を訪れます。それを別の場所に取って代わられては、絶対にいけない。 北海道の水産業を守ることは、北海道の価値を守ることだと思うんです。 当社は北海道で生まれて北海道に育ててもらった企業なので、その想いは強いですね。

テクノロジーの力で未来を変えたい

伝統を受け継ぎながら、テクノロジーの力で未来を変えたい 北海道の価値を守る、そのためには水産業と考えていましたので、実は藤山水産加工の他にも、いくつか道内の水産加工場を検討していました。 藤山水産加工を事業承継することに決めた理由は大きく2つあります。 ひとつは既存商品があり実業ができること。フィジカルAI(ロボット)やIoTなどテクノロジーで、水産加工業の抱える課題を解決したいと考えていますが、その研究・開発には時間がかかります。また現場の課題を抽出するためには実業が必要です。 もう一つは、15トンの水槽があることです。 水産業の課題解決の一つとして、ロボットのような方法論とは別に、「養殖」という選択肢があると考えています。テクノロジーの導入によって、これまで経済的に難しいとされていた養殖も、採算の取れるビジネスになる可能性があります。その研究のために、水槽がある環境は魅力でした。

現場から課題を見つける。今はその過程。

現在、藤山水産加工は、代表取締役の武田さん、取締役の山田さんに加え、生産スタッフ10名、事務員1名という体制で運営されています。工場の中を案内してもらいました。
生産スタッフの皆さんにカメラを向けると、笑顔で集まってくれました。
最後に武田さんはこう語ってくれました。 建築現場の監督に話をきいて開発を行ったように、自分達で現場を知ることが大切なんです。ですから、これまで藤山水産加工が手掛けてきた「灯台つぶ とれたてくん」を始めとする既存商品は、しっかり製造方法を引き継いで作っていきます。実は、エコモットの株主優待として「とれたてくん」を送ろうと考えている所なんですよ。
白糠町が目指す、漁業のDX化。そして「獲るだけ」の漁業から「育てる」漁業へ。その大きな転換のなかで、いま新たな一歩が踏み出されました。