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Octa®︎(オクタ)徹底解剖|アウトドア派を虜にする登山ウェア高機能素材に迫る

公開日:2026/10/16 更新日:2026/10/17
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  • 秋冬の行動着を選ぶとき、フリースは暖かいけれど登り出すと暑すぎる、という経験をした方は多いかもしれません。 その答えとして広まったのが、帝人フロンティアが開発したOcta(オクタ)です。 ただ「オクタ」と一括りに呼ばれている素材は、実際には起毛のCPCPと無起毛のサーモフライという2種類に分かれます。 同じオクタでも、どちらを使った服かで着心地と使いどころが変わります。 当ページでは、オクタの構造、行動中に蒸れない理由、2種類の違い、ポラテック アルファとの設計の差、当店がおすすめする4ブランドのモデルをまとめていきます。

    |8本の突起をもつ中空構造の繊維

    オクタは、繊維の断面に8つの突起(フィン)を持ち、さらに内側が中空になっている異型中空断面糸です。 帝人フロンティアが特長として挙げているのは、軽量・吸汗速乾・遮熱・保温の4点。 開発は2008年に始まり、2010年に世に出ています。 名前は古代ギリシャ語の「8」に由来します。 軽さは数字で見るとはっきりします。 同じ程度の厚みで比べたとき、丸い断面のポリエステル(SD75d/36f)が175.9g/m²に対して、オクタ(40d/12f)は95.2g/m²。 同径のポリエステルのおよそ半分という計算です。 もうひとつの特徴が、わたを編み込んでしまう点です。 一般的な化繊中綿はシート状のわたを生地で挟むため、キルティングで押さえる必要があります。 オクタはトリコット編みの生地そのものに組み込まれるので、わたの吹き出しや偏りが起きません。 縫い目で区切る必要がない分、服の形を自由に作れます。

    |高強度で蒸れない理由

    従来のフリースが行動中に暑すぎるのは、熱がこもり、汗の吸収も追いつかないからです。 オクタは、止まっているときの保温を保ちながら、動いている間は熱を逃がします。 繊維と繊維の間にある複雑な空隙の空気が、体の動きに応じて入れ替わるためです。 肌に触れる面積が小さいことも効きます。 汗をかいた状態でも張り付きにくく、濡れた不快感が残りにくい。 海外のレビューでは、中綿入りのウェアとして汗の抜けが際立つという評価が共通して出ています。 一方で、オクタ単体では風を止めません。 通気を最大化した素材なので、風の強い稜線ではウインドシェルやソフトシェルと重ねる前提になります。 行動中に脱ぎ着を減らしたい人のための素材で、停滞時の防寒を一枚で担う服ではありません。 秋の低山で、登りはじめてすぐにフリースを脱いだ経験があるはずです。 オクタが解こうとしたのは、まさにその脱ぎ着です。

    |CPCPとサーモフライの違い

    2種類の分かれ目は、「起毛させるかさせないか」です。 Octa CPCP 登場:2014年 構造:トリコット編みの生地にオクタを編み込み、編んだ後にオクタ側を起毛 表面:片面はふかふかの起毛パイル、裏面は細かい目のフラットメッシュ 目付の展開:80/140g/m² 得意なこと:軽さと通気。単体のフリースやベースレイヤー Octa サーモフライ 登場:2020年8月 構造:3層のダブルラッセル編地の中間にオクタを配置し、生地をハーフカット 表面:起毛させずにパイルの嵩を出す 目付の展開:67/98/146/205/220g/m² 得意なこと:洗濯での繊維脱落が少ない。インナーとミドルを1枚で兼ねる CPCPは、わたのような起毛面で暖かさを出しつつ、裏のメッシュで汗と湿気を処理します。 目付が80g/m²から選べるため、単体で着るフリースを極端に軽く作れます。 サーモフライは発想が違います。 インナーに求められる汗処理と、ミドルに求められる保温は、起毛加工だと吸水面が不均一になって両立しませんでした。 そこで3層に編んだ生地の中間にオクタを仕込み、生地を半分に切ることでパイルを立たせています。 起毛工程がないため洗濯時の繊維の脱落が少なく、海洋マイクロプラスチックへの対策にもなります。 目付の幅も広く、67g/m²から220g/m²まで。 薄い行動着から厚手のミドルまで、同じ系統の素材で作れるのがサーモフライです。

    |Polartec®Alphaとの違い

    同じアクティブインサレーションでも、各社が手をつけた場所は違います。 Octa(帝人フロンティア): 繊維そのものを中空・8突起にして、編地に組み込む Polartec Alpha / Alpha Direct: 起毛した繊維を丈夫なニットの格子に結合する。ダイレクトは表地を省く前提の設計。 米特殊作戦部隊との共同開発で、2012年にPCU Level 3Aとして標準支給 PrimaLoft Active Evolve: 中綿を肌に直接着られる形にし、キルティングを不要にする 繊維の断面で解いたのがオクタ、わたの固定方法で解いたのがアルファという対比になります。 実際に着き比べてみるとアルファダイレクトは表地を省いた構造ゆえに通気が最も高く、オクタは中空繊維のため風がある条件での冷えにくいというイメージです。 保温はプリマロフト、通気はアルファダイレクトが優位で、オクタは両者の中間という順番になっています。 繊維抜けが気になるアルファダイレクトに対して、藪漕ぎや繰り返しの洗濯に対する強さではオクタが明確に勝ります。

    |Octa採用おすすめアイテム

    |THE NORTH FACE

    ノースフェイスがフューチャーフリースと呼ぶ素材は、実はOctaのサーモフライ。 8面形状の糸と中空断面を使い、生地をフルループで組んだもので、グリッド状の生地が中空断面に熱を溜める、という組み立てです。 本国USAのサミットシリーズの最上位にあたるAdvanced Mountain Kit(AMK:2017年にアスリート・デザイナー・イノベーターの国際チームを組成し、7,000〜8,000m峰の遠征に向けて作られたシステム)でも、5つの独自技術のひとつに挙げられおり、L2のミッドレイヤーとして採用されています。 国内展開モデルでの一番の定番がハーフジップのエクスペディショングリッドフリースフーディー。 写真家の石川直樹さんが8,000m峰全14座登頂を達成した際にも、ベースレイヤーのドライドット、ダウンジャケットのヒマラヤンスーツ(ヒマラヤンパーカ・パンツの上下一体型)と組み合わせた3枚のレイヤリングで、その偉業を支えました。 もちろん日々のハイク・ランニングにも活躍するのがサーモフライ。 冷たい雨が断続的に降る冬のフルマラソンやガスが吹く夏山の稜線でも、着たまま快適に動き続けられるという特徴があります。 2026秋冬シーズンは背中側のみOctaではなくナイロン素材に切り替えよりランニングに特化した、ハイブリッドエクスペディションフリースフーディーもSUMMIT RUNカテゴリより登場しています。

    |STATIC

    STATICのアドリフトは、オクタCPCPを裏地ではなく単体のフリースとして使うシリーズです。 CPCP登場当初に多く登場していた、この素材を重いシェルに封入したミッドレイヤーでは、携行性が要る日本のアウトドアではレイヤリングしづらい、という問題意識から生まれています。 最もシンプルなアドリフトプルオーバーフーディは、生地がOcta®CPCP®ポリエステル100%(内リサイクルポリエステル53%)で144g(Mサイズ)。 日本国内で生地から縫製まで仕上げています。 ラグランスリーブとサムループという構成で、一枚でも重ね着でも使えます。 当店ではベスト、クルー、プルオーバー/ハーフジップフーディ、フルジップジャケット、パンツと全バリエーションをラインナップ。 使用する環境や好みでお選びいただけます。 またロアーシリーズは、オクタ糸とメリノウールを撚り合わせ、ウールだけを起毛させた意匠撚糸「AYUKAN®」を使うシリーズ。 ロアークルーはメリノウール50%・ポリエステル50%で175g。 ホールガーメントで編むため、通常20〜30%出る裁断ロスを5%未満に抑えています。

    |ARC'TERYX

    アークテリクスは、オクタの基本性能を土台に、自社の生地と組み合わせて味付けを変えてきました。 ローSVジップネックは、同社が「最も暖かく最もテクニカルなベースレイヤーと位置づけるモデルです。 生地は「Recycled Octa x Solotex Raschel Anti-shed Fleece」の210g/m²で、重量は260g。 表側に使われるSOLOTEXも帝人の繊維で、生地と染色は日本で行われています。。 寒冷地向けのベースレイヤーであるRho(ロー)はもともと、ポーラテックパワーストレッチで作ってきたシリーズでした。 旧モデルのローARジップネックはパワーストレッチ(ポリエステル90%・エラスタン10%)で316g。 最も暖かいレンジのベースレイヤーがオクタへ置き換わったことになります。 もう一方のプロトンSL フーディは、考え方が逆です。 中綿を増やして暖かくするのではなく、通気するソフトシェルに最低限の保温を足す設計になっています。 表地はFortius™ Air 20(58g/m²)、裏地はOcta Rachel knitの98g/m²で、重量は370g。 公式はインサレーションコレクションの中で最も軽量かつ最も通気する選択肢と位置づけています。 海外の着用記録では、冬の加重歩行と風速9〜13m/sの山頂での使用で、ベースレイヤーの上に着て中〜高強度なら-1℃前後まで対応したとされています。 汗抜け性能については、中綿インサレーションとしては市場随一である一方で防風性能はそこそこ、悪天候時にはベータやアルファなどのシェルと組むことがレイヤリングの前提となります。

    |Teton Bros.

    ティートンブロスは、2019年からCPCPとサーモフライの両方を使い分けてきたブランドです。 公式サイトのコラムでも、従来のフリースは高強度時に熱がこもり汗の吸収も遅い、という課題意識を明文化しています。 2024年の登場であっという間にブランド定番となったオクタフリースシリーズは、CPCPがベースの設計。 オクタフリースフーディはポリエステル100%のダブルフェイスで、表側がリサイクルポリエステル、裏側が起毛したオクタ。 重量は410g(Mサイズ)で、従来パワーストレッチが担ってきたミドルレイヤーの基本性能に、蒸れにくさを足した位置づけになります。 一方でサーモフライを使用したサブジャケットも展開。 サブジャケットは表地にPrime Flex 4way Stretch、中わたにオクタを使い、285g(Mサイズ)。 公式は「雪山や低温下での行動を想定し、全面にOCTAを配置した唯一のモデル」と説明しています。 通気する表地と最低限の保温という組み立ては、プロトンSLと近い発想です。 独自性がはっきり出ているのがラン ウィズ オクタで、こちらは225g(Mサイズ)。 Stretch OCTA Bondingという生地を前面と肩から上腕にマッピングしています。 中身は、表に東レのPrimeflex™、裏に帝人のオクタ サーモフライを縫わずに貼り合わせたもの。 裏地が動かないため汗の移動が直接的になり、可動性と通気が上がる、というのが狙いです。 競合する素材メーカー2社の生地を貼り合わせた構成で、同ブランド代表の鈴木ノリ氏の提案により生まれた1着です。

    |Octa徹底解剖・まとめ

    オクタは、繊維の断面を中空と8本の突起にすることで、止まったときの保温より動いている間の蒸れを優先した素材です。 同径のポリエステルのおよそ半分という軽さは、わたを編地に組み込む作り方と合わせて、形の自由度まで変えています。 選ぶときに見るのは、起毛のCPCPか、無起毛のサーモフライか。 軽く作った単体のフリースならCPCP、インナーとミドルを兼ねたいならサーモフライ、という読み方ができます。 ブランドごとの設計思想もはっきりしています。 高所遠征から逆算したノースフェイスのフューチャーフリース、単体フリースとして使い切るSTATICのアドリフト、ベースレイヤーと行動保温着の両端から攻めるアークテリクス、CPCPとサーモフライを用途で振り分けるティートンブロス。 同じ素材でも、どのブランドが何を解こうとしたかで、手に取るべき一枚は変わります。 紅葉ハイク、ウィンタースポーツ、ランニング、、、 秋冬に活躍する場の多いオクタ採用ウェア、これを読んだあなたも是非1度試してみてください。

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