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梅雨・台風シーズンの「ギャン泣き」に困ったら

公開日:2026/06/24 更新日:2026/06/25
本記事は佐藤珠美先生によるコラムで、 「乳幼児のスキンケア」「寝かしつけ」「抱っこ」など、 産後のママが抱えやすい悩みに寄り添いながら、毎日の育児に役立つ情報をわかりやすく発信しています。

赤ちゃんの不快に寄り添うヒント

梅雨から台風シーズンにかけて、赤ちゃんの「激しい泣き」に悩まされる親御さんが増えるように感じます。 ある企業の調査によると、雨の日や暑い日には、約半数の赤ちゃんがぐずりやすくなるそうです。本来、赤ちゃんが泣く姿は愛おしいものです。 私たちが赤ちゃんの泣き声を聞いて最も幸せを感じるのは、生まれたときの「産声」ではないでしょうか。声が大きければ大きいほど、元気に生まれた証拠。ですから、「泣きすぎかも」と過度に心配する必要はありません。 最初はなぜ泣いているのか分からなくても、前回の授乳からの時間などを考えると「お腹がすいた」「おむつを替えて」「暑い・寒い」など、お世話のタイミングを知らせてくれているのだと少しずつ分かってきます。さらに成長すると「眠い」「退屈」「甘えたい」といった感情も表現できるようになります。赤ちゃんの訴えが理解できるようになると、まるで会話をしているようで嬉しくなるものです。 しかし、ある時期からその泣き声が「苦痛」に感じられることがあります。それは、何をしても泣き止まない激しい泣き、いわゆる「ギャン泣き」が始まったときです。泣き声に親自身が責められているように感じ、辛くなってしまうのです。特に梅雨から台風シーズンは、この「ギャン泣き」に拍車がかかりやすい季節です。 今回は、気象と赤ちゃんの泣きの関係、そして親御さんの心が少しでも軽くなる対策を一緒に考えていきましょう。

【普通の泣き】

まずは、基本となる「普通の泣き」について確認しましょう。普通の泣きとは、空腹や眠気、おむつの不快感といった「生理的な欲求」を示すものです。泣き声に強弱の変化があり、抱っこや授乳などで欲求が満たされれば、スーッと落ち着くのが特徴です。 一日に泣く時間の合計は個人差が大きく、他のお子さんと比較できるものではありません。ただし、1日に合計5~6時間も泣くと、親は強いストレスを感じやすいと言われています。 ここで知っておいてほしいのは、それだけ長い時間泣いたとしても、赤ちゃんの成長や発達にはまったく問題がないということです。問題なのは、それにつき合う親御さんの体と心が疲弊してしまうことです。もし、お子さんの泣き声に疲れを感じたら、決して無理をしないでください。 育児は24時間ノンストップの重労働です。 周囲の人に甘えて助けを求め、少しでも休む時間を確保しましょう。お子さんの安全と笑顔を守るためにも、お世話をする親御さんが定期的に心と体を休めることは、何よりも大切なことです。

【理由なきギャン泣き】

赤ちゃんには、理由がないのに激しく泣く時期があります。特に夕方から夜にかけて多いとされていますが(いわゆる黄昏泣き)、なかなか予測できず、突然やってきます。 顔を真っ赤にして、まるでどこかが痛いかのように全身をこわばらせて長時間泣き続けられると、「どこか悪いの?」「病気や障害につながるのでは?」と、不安や恐怖を感じてしまうかもしれません。実はこれ、赤ちゃんの脳が急成長している証拠でもあります。脳が発達するプロセスでは、外界からの刺激に敏感になりやすく、疲れや刺激が原因でいつも以上にぐずったり、ギャン泣きしたりすることがあるのです。例えば、初めてのお出かけや乳児健診など、いつもと違うイベントの後に、家に帰ってホッとしたタイミングで激しく泣き出すのはよくあるケースです。 先輩ママはそれを経験から知っているため、「今日はいっぱい刺激を受けたから、夜は泣くかもしれないな」と、あらかじめ心構えをしています。もし、赤ちゃんが1日3時間以上泣く日が週に3日以上あり、それが3週間以上続く場合は、「コリック(乳児疝痛:にゅうじせんつう)」という状態かもしれません。焦って泣き止ませようとすると、逆効果になってしまうことがあります。 以下の点に注意してみましょう。 ・授乳を繰り返さない 泣き止ませるために何度も授乳すると、お腹がパンパンに張って余計に苦しくなり、さらに泣く原因になります。 ・激しく揺すらない 抱っこをして激しく揺すると、さらに興奮して泣き声が大きくなってしまいます。 - おすすめの対処法 - 静かで薄暗い部屋に移動し、安全な場所に赤ちゃんを寝かせて、視覚や聴覚の刺激を減らしてあげましょう。 「何が何でも泣き止ませなきゃ!」と必死になると、親の焦りや緊張が肌を通じて赤ちゃんに伝わり、さらに激しく泣いてしまうこともあります。そんなときは、一歩引いて「手を出さずに見守る」というのも、立派な育児の方法です。赤ちゃんを安全な場所に寝かせた状態であれば、15分ほどその場を離れても何の問題もありません。どうしても心配なときや、親御さん自身の限界を感じるときは、小児科などの医療機関を受診してみてください。 健康状態に問題がないと確認できるだけで大きな安心につながりますし、プロからの具体的な対処法のアドバイスももらえます。

【気象とギャン泣きの関係】

赤ちゃんは、大人以上に気象の変化に敏感です。 個人差はありますが、低気圧による気圧の変化は自律神経の乱れを引き起こします。さらに梅雨や台風時期の「高温多湿」は、赤ちゃんの体に熱がこもる原因になり、たくさん汗をかくことで不快感が一気に増してしまいます。大人でも体調を崩しやすい季節ですから、言葉で話せない赤ちゃんがその辛さを訴えるには、全力で「ギャン泣き」するしかないのです。この時期を乗り切るために、家庭でできる具体的なケアを3つご紹介します。
①快適な部屋の環境づくり ・室温と湿度 室温は22~24℃、湿度は50~60%を目安に少し低めに保ちましょう。大人にとっては「少し肌寒い」と感じるくらいが、赤ちゃんにはちょうど良いです。大人は上着などで調節してください。 ・風の向き: エアコンや扇風機の風が、赤ちゃんに直接当たらないよう風向きを工夫します。 ・体温のチェック 赤ちゃんの顔が赤くなっているときは、体温を測ってみましょう。37.5℃以上の熱があっても、機嫌がよくミルクをよく飲むなら、濡れたタオルで汗を拭き、室温や衣服を下げて様子を見ます。逆にいつもより体温が低ければ、室温を上げたり掛け物で調整したりしましょう。 ②基本的な「不快原因」のチェック 赤ちゃんが泣き出したら、まずは以下のポイントを確認して不快な原因を取り除いてあげましょう。 ・おむつは濡れていないか ・暑すぎたり、寒すぎたりしないか ・お布団のシーツに大きなシワがないか ・衣類がよれて、肌に擦れていないか これらを確認した上で、軽く背中をトントンしたり、ホワイトノイズ(ビニール袋をカサカサ擦る音、換気扇の音など)を聞かせたりすると、フッと落ち着くことがあります。 ③科学的に効果のある「抱っこ歩き」 どうしてもギャン泣きが止まらないときは、近年研究でも効果が実証された「抱っこ法」がおすすめです。赤ちゃんを体に密着させて抱っこし、5分ほどすたすたと早足で歩きます(その場で揺らすのではなく、まっすぐ歩き移動するのがポイントです)。赤ちゃんが落ち着いて眠りそうになったら、そのまま3分ほど抱っこしたまま待ってから、ベッドに寝かせます。 もし、長時間(個人差がありますが、20~30分を目安に)抱っこしてあやしても全く効果が見られない場合は、そのやり方が今の赤ちゃんに合っていない証拠です。親子ともに疲れてしまうだけなので、「この方法は一旦あきらめよう!」と割り切ることも大切です。

【ギャン泣きは健康や発達に影響しない】

どれほど激しいギャン泣きであっても、赤ちゃんの健康や今後の発達に悪影響を与えることはないと言われています。そうだと頭では分かっていても、目の前で、全力で泣き続けられれば、親にとっては大きなストレスであり、時には恐怖さえ感じるものです。「私の育て方が悪いのかな」と自分を責めてしまうかもしれません。しかし、ギャン泣きは決して親のせいではありません。これも赤ちゃんが順調に成長している「発達の一過程」であり、親にとっても「激しい泣きに少しずつ慣れていくための訓練期」なのだと、まずは捉え直してみましょう。

先ずは落ち着いて自分の心をリセットしよう

赤ちゃんを焦って抱っこしていると、肌を通じて親のイライラや緊張が伝わり、赤ちゃんがさらに激しく泣いてしまうという悪循環に陥ることがあります。わが子のギャン泣きに自分の焦りや限界を感じたら、親御さん自身の心をリセットすることが最優先です。 ・安全を確保して、少し離れる 赤ちゃんを布団など安全な場所に寝かせたら、その場から少し離れる時間を作りましょう。まずは5分、慣れてきたら10分、15分と、自分が落ち着くまで距離を置いて大丈夫です。 ・物理的に自分を冷やす 焦りで頭に血が上っていると感じたら、冷たいタオルで顔や首元を冷やすのが効果的です。ふっと冷静さを取り戻すことができます。日頃から「自分がパニックになりそうなときのリセット法」を何か一つ決めておくとお守りになります。 ・低く、小さな声で声をかける: 親の心が少し落ち着いたら、赤ちゃんに「大丈夫だよ」と、あえて『低めの、小さな声』で話しかけてみてください。高い声や焦った声よりも、赤ちゃんの興奮を鎮めやすくなります。 ギャン泣きに限界を感じる前に、パートナーや家族とお世話を代わってもらったり、地域の「子育て支援センター」などに相談したりして、周囲に助けを求めることを決して恥じないでください。あなたを助け、一緒に子育てを楽しみたいと願っている味方は、社会にたくさんいます。

まとめ

理由のわからないわが子のギャン泣きに向き合うのは、ただでさえ心身ともにすり減るものです。 それに加えて梅雨から台風のシーズンは、気圧や湿度の変化によってギャン泣きに拍車がかかったり、頻度が増えたりすることがあります。だからこそ、日頃から天気予報をチェックして「明日は雨だから、ぐずるかもしれないな」と心構えをしておくだけでも、心のゆとりは変わってきます。 部屋の環境を整えるなどできる限りの対策をしたら、あとはギャン泣きが始まっても焦らず、悪循環に陥らないよう自分自身をリセットすることを意識してみてください。 子育ては、決して親一人で抱え込むものではありません。限界を感じる前に無理をせず、周囲の人や地域のサポートを頼ってくださいね。 気象の変化に負けず、この季節を少しでも心地よく、笑顔で乗り切っていきましょう。
更新日:09/25(09/18〜09/24集計)
赤ちゃんのギャン泣きや夜泣き、黄昏泣きは新生児から乳児期によく見られる発達の一過程ですが、梅雨や台風シーズンの気圧・湿度の変化によって悪化しやすくなるため、室温・湿度の調整や抱っこ法といった対策を取り入れながら、ママ・パパも無理せず周囲のサポートを頼って乗り切っていきましょう。