卵巣の活動が不規則になっても、排卵が起こり、受精・着床までの条件がそろえば、妊娠につながることがあります。その仕組みを、卵胞の発育から見ていきましょう。
卵巣の中には、卵子を包む小さな袋「卵胞」があります。
卵胞が発育する過程では、脳の下垂体から分泌されるFSH(卵胞刺激ホルモン)が重要な役割を担います。
発育した卵胞からは、エストロゲンという女性ホルモンが分泌され、子宮内膜が厚くなって妊娠に向けた準備が進みます。
卵胞が十分に育ち、ホルモンの働きによって卵子が放出されることを「排卵」といいます。
その卵子が精子と受精し、受精卵が分裂しながら発育して、子宮内膜に着床すると妊娠につながります。
ただし、卵胞が発育しても必ず排卵するとは限らず、排卵しても、受精・着床まで進むとは限りません。
[参考:米国生殖医学会 AGE AND FERTILITY]
加齢とともに卵巣に残る卵胞は少なくなり、更年期に近づくと、卵胞の発育や排卵のタイミングが不安定になることがあります。
これが「卵巣の活動が不規則になる」ということです。
ただ、すべての卵胞が、一斉に働かなくなるわけではありません。
十分に発育する卵胞がない時期には、卵巣からのホルモン分泌が乏しくなり、その分泌によって抑えられていたFSHが高くなりやすくなります。
一方、残った卵胞の一部が発育すると、エストロゲンなどが増え、FSHが一時的に下がることもあります。
[参考:閉経の内分泌学 Endocrinology of the Menopause]
卵胞が育つことは、妊娠に向けた一つの段階です。
ただし、卵胞の数と卵子の質は別であり、加齢に伴う卵子の変化も妊娠のしやすさに関係します。
また、年齢が高くても周期的に排卵している方もいます。
下の図は、卵巣の活動が不規則になっている場合に、卵胞の発育から妊娠まで、どのような段階をたどるかを示したものです。
[参考:米国生殖医学会 AGE AND FERTILITY]
結論は「妊娠につながる可能性はあります」です。
卵巣の活動が不規則になっても、残った卵胞が発育し、排卵が起これば、妊娠につながる可能性はあります。
ただし、卵胞が育つことと、妊娠できることは同じではありません。卵子や精子の状態、受精・着床などの条件も関係するためです。
「不規則だから妊娠できない」とも、「排卵すれば妊娠できる」とも言い切れません。
FSHなどの検査値だけで判断せず、妊娠を希望する場合は、月経や排卵の状況、年齢などを踏まえて、早めに産婦人科で相談することが大切です。
[参考:米国生殖医学会 AGE AND FERTILITY]