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新物の季節に、新米と古米の違いを活かそう!|にっぽん津々浦々

公開日:2026/09/25 更新日:2026/09/25
夏から秋へと移り変わり、新物の季節がやってきました。 『新物』と聞くと、皆さんはどんなものを思い浮かべるでしょうか? 新米、新栗、新秋刀魚(さんま)、新そば…中でも私たち日本人の食卓になじみ深い新米について、今回は栄養価やアレンジについてお話していきます。

新米と古米

縄文時代の終わりに日本へ伝わった、お米。 その年に収穫されたばかりの新米の魅力はなんといっても、そのみずみずしさ、ふっくらと炊けたツヤと甘みでしょう。 一方で、新米の出る時季に存在感を失いがちなのが、収穫から約1年(前年産)経った『古米』、あるいは2年経った『古古米』と呼ばれるお米です。 2024年から2025年にかけてのいわゆる令和の米騒動では、1995年の備蓄米制度開始以来、はじめて放出されたことで話題となりましたね。 古米や古古米は、温度や湿度が管理された倉庫で保管されるため、保管期間が長くなるほど、管理にかかる費用も生じます。一方で、多くの消費者が新米を好むので、新米より安く販売される場合があります。 「新米は収穫されたばかりだから、栄養がたっぷりありそう」「古米の方が、新米よりも栄養が減っていそう…」そう考えて、高価でも新米を選ぶ方も多いかもしれません。 でも実は、タンパク質や炭水化物といった主要な栄養素について、新米と古米に大きな違いはありません。栄養に大きな差はないといっても、状態や食感には明確な違いがあり、これがおいしさの違いになります。

新米と古米、おすすめアレンジ

新米は、水分が多くみずみずしいのでもっちりとした炊き上がりになるのに対し、古米は時間の経過とともに香りや水分などの状態が変化し、パサつきがちです。 そのため新米は、炊きたてそのままやご飯のお供をそえて、ご飯そのものの甘みやおいしさを味わうのに向いています。一方、古米はチャーハンやピラフ、カレーといった水分を控えめにしてパラッと仕上げたい料理に向いています。 また古米であっても、新米のようにふっくらとツヤよく炊き上げる工夫もあります。お米由来の調味料である本みりん(大さじ1)・米油(小さじ1)・料理酒(大さじ1)を、お米2合に対してそれぞれ加えます。 こうすることで、長期間の保管過程で失われた甘みや香りなどを補い、炊き上がりを整えることができます。

漢方薬にも使われるお米

ところで、お米の甘みのもとが、何であるかご存じでしょうか? お米の約7割を占めるデンプンは、よく噛むと唾液に含まれる消化酵素のはたらきで『麦芽糖(マルトース)』という成分に変わります。この麦芽糖が、私たちが感じるお米の甘みのもとです。 ちなみに漢方分野では、精米しない状態のお米、つまり玄米のことを生薬として『粳米(コウベイ)』と呼び、これに麦芽を加えてアメ状にした甘い生薬のことは『膠飴(コウイ)』と呼んでいます。 東洋医学では、体力・気力の低下や、痰・咳などに用いられる漢方薬があります。痰の切れにくい咳に用いられる麦門冬湯(バクモンドウトウ)には粳米、子供の腹痛や疲労倦怠に用いられる小建中湯(ショウケンチュウトウ)には膠飴が配合されています。
私たちの普段の食生活に欠かせない、お米。 古くから主食としてだけでなく、漢方薬にも使われるなど、私たちの生活になじみ深いものであったことが、お分かりいただけたでしょうか。 新米がとくにおいしい季節ではありますが、新米と古米、それぞれの特長を活かすことで、どちらも無駄にすることなくおいしく味わってみてはいかがでしょう。
むすたーはむ ナチュラルフードコーディネーター×薬剤師 薬剤師として病院や薬局勤務後、出産を機に主婦へ。 子どもの食物アレルギーをきっかけに、グルテンフリーの米粉パン作りやヘルシーな植物性素材のレシピに興味をもち、ナチュラルフードコーディネーターの資格を取得。 現在は4人育児のかたわら、アレルギー対応や、プラントベースのレシピ発信を続けています。

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