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秋の味覚、キノコ|にっぽん津々浦々

公開日:2026/09/02 更新日:2026/09/02
厳しい暑さが続く一方、少しずつ秋の気配も感じられるようになってきました。秋といえば、旬を迎えるのが、キノコ。 スーパーでは年中手に入り、自然界でも年間を通して生育していますが、秋の季語でもある茸(きのこ)。 今回は、そんなキノコの栄養素やおいしい食べ方などについてお話ししていきます。

キノコの旬

キノコには、種類によって生育に適した温度や湿度があります。 全般的に、培養期は20〜25℃前後、発生・生育期は10〜20℃前後で、湿度は70〜90%と高湿度が目安といわれています。 秋が旬というイメージが強いキノコですが、実は一年の中では、6~7月の梅雨の頃か、9~11月の秋雨の時期に生育が活発になるため、秋だけではなく初夏に旬を迎えるものもあるのです。 夏が旬のキノコとして有名なのが、ハナビラタケやヤマドリタケ(ポルチーニの近縁種)です。 秋に旬を迎えるキノコとしては、マツタケやシイタケ、シメジ、マイタケ、ナメコなどがあり、私たちの食生活の中でも身近なキノコが多くあります。

秋の味覚・マツタケ

秋の味覚として珍重されてきた、香りと食感を楽しむマツタケ。 人工栽培の方法がまだ確立されていないため、秋の松の根元に自然に発生したものを収穫するしかありません。 人工栽培が可能なキノコは、枯死木や腐葉土を栄養素にして成長できますが、マツタケは生きている木と共生しなければ生育できないため、人工栽培が難しいとされているのです。 マツタケの香りの正体はマツタケオールと桂皮酸メチルという二つの成分です。マツタケオール、という名前ではありますが、マツタケ特有の成分ではなく、他のキノコにも含まれます。気持ちを落ち着ける、食欲を増進させるなど、さまざまな効果を持つのではないか、と期待されている香気成分です。 ちなみにマツタケは、時間の経過とともに香りが落ちていきます。9月に北海道から始まり、岩手・長野…と気温の低下とともに南下する「マツタケ前線」を参考に、できるだけ近場の県で収穫されたものを購入するのがおすすめです。

キノコの栄養素

香り以外にも、キノコには食物繊維、ビタミンD、ビタミンB群、カリウム・リンなど、健康維持に役立つさまざまな栄養素が豊富に含まれています。 中でも 注目を浴びているのが、βグルカンという成分です。 これは、キノコの細胞壁に含まれる食物繊維の一種(多糖類)であり、免疫機能を調整したり、活性化したりするはたらきについて、研究が進められている成分です。

薬としてのキノコ

キノコは古くから薬としても利用されてきました。 日本では、マンネンタケの別名を持つ、サルノコシカケ科の霊芝(れいし)や、同じくサルノコシカケ科の茯苓(ぶくりょう:マツホドの菌核)や、猪苓(ちょれい:チョレイマイタケの菌核)などが昔から利用されており、現在もさまざまな漢方薬に配合されています。 私たちがよく目にする一般的なキノコとは異なり、これらは多年生のため年々大きくなり、しかも非常に硬いため食用に向かない、という特徴があります。

キノコのおすすめ調理方法

温度や湿度にデリケートなキノコをおいしくいただくための調理方法をご紹介します。 香りを逃さず、水っぽくならずに調理するためのコツは、なるべく水で洗わないことと、強火で炒めることです。 汚れが気になるときは湿らせたキッチンペーパーで軽くふき取るとよいでしょう。 また、天日干しすると、水分が飛んで保存期間が長くなるだけでなく、キノコに含まれるビタミンDも増加します。冷凍してもうまみ成分が増し、日持ちもアップできます。 購入後すぐに食べない場合は、食べやすい大きさに割いたりスライスしたりして、保存袋などに密閉して保存するとよいでしょう。

最後に

低カロリーでクセが少なく、さまざまな料理にボリュームを足せる優秀な食材である、キノコ。 旬の天然のものはなかなか見かけない、という場合でも、産地にこだわって乾燥させた干しキノコなどであれば、手軽に取り入れることができます。 今年はぜひ、旬の天然のキノコにも思いを馳せながら、秋らしい香りやうまみを味わってみてはいかがでしょうか。
むすたーはむ ナチュラルフードコーディネーター×薬剤師 薬剤師として病院や薬局勤務後、出産を機に主婦へ。 子どもの食物アレルギーをきっかけに、グルテンフリーの米粉パン作りやヘルシーな植物性素材のレシピに興味をもち、ナチュラルフードコーディネーターの資格を取得。 現在は4人育児のかたわら、アレルギー対応や、プラントベースのレシピ発信を続けています。

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