その流れの中で、1981年にエットレ・ソットサスを中心として「メンフィス」が結成されます。鮮やかな色彩や大胆な造形、幾何学模様、遊び心あふれる表現を取り入れたデザインは、それまでの機能主義とは一線を画し、ポストモダンデザインを象徴するムーブメントとして世界中に大きな影響を与えました。日本からは倉俣史朗、梅田正徳、磯崎新らも参加しています。グループ名は、結成時の会合で繰り返し流れていたボブ・ディランの楽曲『Stuck Inside of Mobile with the Memphis Blues Again』に由来するとされています。
当時チープで平凡な素材として扱われたプラスチックやメラミン化粧板などを用い、新たな価値付けを試みました。新聞や雑誌でも大きな話題となったメンフィスは、毎年発表されるコレクションを通じて国際的な注目を集めました。しかし、商業的な側面が強まる中、1985年にソットサスがグループを離れ、その後活動は徐々に縮小し、1988年に解散。わずか7年間という短い活動期間ながら、その自由な発想と既成概念にとらわれないデザインは、現在のインテリアやプロダクトデザインにも大きな影響を与え続けています。