故人が亡くなられ、四十九日(忌明け)を過ぎて初めて迎えるお盆を「初盆(はつぼん)」または「新盆(にいぼん・あらぼん)」といいます。
初盆は、通常のお盆よりも特に大切な供養の機会とされ、親族や故人と親しかった方々が集まり、故人の霊をお迎えして感謝と供養の気持ちを捧げる法要が営まれるのが一般的です。
初めて迎える方の中には、「いつ行うの?」「お供えは何を用意すればいい?」「香典の相場は?」「服装や参列マナーは?」など、疑問を持つ方も多いでしょう。
このページでは、初盆(新盆)の意味をはじめ、行う時期や準備、お供えや香典の相場、服装や参列時のマナーまで、初めての方にもわかりやすく詳しくご紹介します。
お盆は、ご先祖様や故人の霊をお迎えし、感謝と供養の気持ちを伝える日本の伝統的な行事です。なかでも「初盆(新盆)」は、故人が亡くなられてから初めて迎えるお盆であることから、通常のお盆以上に丁寧に供養を行う地域が多く見られます。
●親族が集まる
●僧侶を招いて読経を行う
●初盆法要を営む
●お墓参りをする
●会食(お斎)を開く など
近年では、会食を行わず返礼品のみをお渡しするなど、法要の形も多様化しています。しかし、どのような形式であっても、故人を偲び、感謝の気持ちを込めて供養することが何より大切です。
【 初盆を迎える時期 】
初盆かどうかを判断するポイントは、「四十九日(忌明け)を終えているか」です。故人が亡くなられた年のお盆が必ず初盆になるわけではなく、四十九日を過ぎたあとに初めて迎えるお盆が初盆(新盆)となります。
例えば、
●5月に亡くなられた場合 → その年のお盆が初盆
●7月下旬に亡くなられた場合 → 四十九日がお盆後となるため、翌年のお盆が初盆
となります。
つまり、お盆までに四十九日を迎えていない場合は、翌年のお盆が初盆となります。
【 初盆を行う時期 】
●8月盆(月遅れ盆)〔8月13日~16日〕
現在、全国でもっとも広く行われているのが8月13日から16日頃のお盆です。多くの地域では、この期間に初盆法要が営まれています。
●7月盆(新暦盆)〔7月13日~16日〕
東京都の一部や函館市などでは、新暦に合わせた7月13日から16日頃にお盆を迎える地域があります。
●旧盆
沖縄県や奄美地方などでは旧暦に基づいてお盆を迎えるため、毎年日程が異なります。法要や帰省の日程も、地域の風習に合わせて決めるのが一般的です。
初盆の日程を決める際は、お住まいの地域だけでなく、菩提寺やご親族の慣習も確認しておくと安心です。
また、初盆法要は必ずお盆期間中に行う必要はありません。近年では、僧侶や親族の予定に合わせて、お盆前後の土日や祝日に営むご家庭も増えています。特に8月のお盆は寺院も忙しくなるため、早めに相談・予約しておくことをおすすめします。
地域や宗派、ご家庭の慣習によって違いはありますが、初盆法要は一般的に次のような流れで行われます。
①迎え火・盆飾りの準備
②僧侶による読経・法要
③焼香
④お墓参り
⑤会食(お斎)
⑥返礼品(引き出物)のお渡し
【 初盆法要の流れ 】
①迎え火・盆飾りの準備:
迎え火を焚き、仏壇や祭壇には精霊馬やほおずき、白提灯(新盆提灯)、季節の果物、お供え物などを飾ります。初盆では、故人の霊をお迎えするために白提灯を用意する地域も多くあります。
②僧侶による読経・法要:
僧侶を招いて読経を行い、故人の冥福を祈ります。地域によっては、自宅ではなく寺院で合同法要が営まれる場合もあります。
③焼香:
読経の後は、参列者が順番に焼香を行います。
(初盆での焼香マナー)
焼香の作法は宗派によって異なりますが、細かな違いを気にし過ぎる必要はありません。会場の案内や前の方の作法にならって、心を込めて行えば問題ありません。
・遺族へ一礼する
・故人へ手を合わせる
・焼香を行う
・合掌する
・遺族へ一礼して席へ戻る
このような流れが一般的です。
④お墓参り:
法要前に行う、またはお墓参りをしないケースも多くあります。お墓が遠方にある場合や納骨堂・永代供養墓などでは、お墓参りを行わず、自宅や寺院での法要のみとするケースもあります。
⑤会食(お斎):
法要後には、参列者へ感謝の気持ちを込めて会食(お斎)を設けることがあります。近年では、会食を省略し、お弁当や返礼品のみをお渡しするご家庭も増えています。
⑥返礼品(引き出物)のお渡し:
参列者には、法要後に返礼品(引き出物)をお渡しするのが一般的です。また、遠方にお住まいの方や都合により参列できなかった方へは、法要を無事に終えた報告を兼ねて、できるだけ早めに返礼品を発送すると丁寧です。
初盆は、法要やお盆飾り、参列者への準備など行うことが多いため、余裕を持って進めることが大切です。
【 1〜2か月前 】
●菩提寺へ相談する
●法要の日程を決める
●会場を予約する
●会食を行うか決める
●案内状を送る
●返礼品(引き出物)を注文する
◎案内状に記載する内容例:
法要の日時 / 会場・住所 / 会食の有無 / 出欠の返信期限 / 問い合わせ先 など
◎初盆法要へ招待する方:
一般的には、故人とご縁の深かった方をお招きします。近年では、ご家族や近親者のみで法要を営むご家庭も増えています。
・親族
・故人の兄弟姉妹
・親しい友人・知人
・生前お世話になった方
・ご近所の方(地域による)
【 2〜3週間前 】
●参列者の人数を確定する
●お供え物や供花を準備する
●白提灯や盆飾りを用意する
●お墓の掃除を行う
◎一般的な盆飾り
白提灯(新盆提灯) / 精霊棚(盆棚) / 精霊馬 / ほおずき / 季節の果物 / 故人がお好きだった食べ物や飲み物 など
飾り方は宗派や地域によって異なるため、菩提寺やご親族へ確認しておくと安心です。
【 前日まで 】
●仏壇や祭壇を整える
●お供え物を飾る
●返礼品や香典返しを確認する
●当日の流れを家族で確認する
【 当日 】
●迎え火(地域による)
●読経・初盆法要
●焼香
●お墓参り
●会食(お斎)
●返礼品(引き出物)をお渡しする
◎お布施の目安:
読経をお願いする僧侶へは、お布施として3万円~5万円程度が一般的です。また、交通費として「御車代」、会食へ出席されない場合は「御膳料」として5,000円~1万円程度を包むこともあります。金額は地域や寺院とのお付き合いによって異なるため、不安な場合は菩提寺や親族へ相談すると安心です。
【 お盆の最終日 】
●送り火(地域による):
お盆の始まりに行う迎え火には、「故人が迷わず帰って来られるように」という願いが込められています。そして、お盆の終わりには「また来年もお待ちしています」という思いを込めて送り火を焚き、故人の霊をお送りします。近年では、住宅事情や防火の観点から火を焚かず、提灯などを用いて供養するご家庭も増えています。
◎当日にお渡しする返礼品(引き出物)の相場:2,000円~5,000円程度
・表書き:志・粗供養 など
・水引:「黒白」または「黄白」の結び切りが一般的
・下書き:施主の姓のみ、またはフルネーム
初盆法要へ参列してくださった方へは、感謝の気持ちを込めて引き出物をお渡しするのが一般的です。
法要後に会食(お斎)を設ける場合は、おもてなしも含まれるため、引き出物はやや控えめな金額になることがあります。一方、会食を行わない場合は、お弁当や折詰とあわせて返礼品をお渡しするご家庭も少なくありません。
◎香典・お供えへのお返しの相場:3分の1~半額程度
・表書き:志・粗供養 など
・水引:「黒白」または「黄白」の結び切りが一般的
・下書き:施主の姓のみ、またはフルネーム
香典やお供えをいただいた場合は、お礼の気持ちを込めて香典返しやお供えのお返しを贈ります。お返しをお渡しする時期は地域によって異なりますが、一般的には初盆法要を終えてから1~2週間以内を目安にお届けするとよいでしょう。
また、法要に参列できなかった方から郵送で香典やお供えをいただいた場合も、法要終了後できるだけ早めに返礼品を手配するのが丁寧です。
近年では、法要当日に一定額の返礼品をお渡しし、香典返しも兼ねる「当日返し(即日返し)」を取り入れる地域やご家庭も増えています。ただし、高額な香典をいただいた場合や親族間では、地域の慣習を優先することもあるため、判断に迷った際は親族や葬儀社へ相談すると安心です。
初盆法要へ招かれた際は、香典・お供え物のどちらか、または両方を持参するのが一般的です。地域やご家庭によっては香典のみの場合もあるため、迷った際は事前に施主へ確認すると安心です。
●香典
●お供え物
【 初盆の香典相場 】
(故人との関係別)
●両親:1万円~5万円
●祖父母:5,000円~3万円
●兄弟姉妹:1万円~3万円
●おじ・おば・親戚:5,000円~1万円
●友人・知人:3,000円~1万円
●会社関係:5,000円~1万円
会食(お斎)へ参加する場合は、その分を考慮して少し多めに包む地域もあります。
【 初盆のお供えの金額相場 】
●親族:3,000円~10,000円
●友人・知人:3,000円~5,000円
●特に親しい方:5,000円~10,000円
香典とお供え物を両方持参する場合は、無理のない範囲で用意すれば問題ありません。
【 掛け紙(のし)の書き方 】
●表書き:御供・御供物・御仏前・御香料
●水引:黒白または黄白の結び切り
●下書き:贈り主の氏名を記入
迷った場合は「御供」を選べば多くの場面で使えます。
【 初盆に参列するときの服装 】
●ブラックフォーマル
●ダークスーツ
●黒・紺・グレーなど落ち着いた服装
「平服でお越しください」と案内があった場合でも、華やかな服装は避け、落ち着いた服装を心掛けましょう。
【 香典・お供えを渡すタイミング 】
法要が始まる前、受付がある場合は受付で渡します。受付がない場合は、施主へ挨拶をするときに両手でお渡しすると丁寧です。紙袋や風呂敷に入れて持参した場合は、そのまま渡すのではなく、中から取り出してお渡しするのが一般的なマナーです。
【 参列できない場合 】
●香典を郵送する
●お供え物を配送する
●お悔やみの手紙を添える
参列できない場合でも郵送で失礼にはあたりません。お供え物は法要日の2~3日前までに届くよう手配すると、ご遺族への負担も少なく丁寧です。
●白提灯(新盆提灯):
故人の霊が迷うことなく家へ帰って来られるように飾る白い提灯です。初盆の際だけ飾る風習が残る地域も多く見られます。
●精霊棚(しょうりょうだな):
故人やご先祖様の霊をお迎えするために設ける祭壇です。お供え物や盆飾りを供え、供養を行います。
●精霊馬(しょうりょううま):
きゅうりとなすに割り箸などで足を付けて作る盆飾りです。きゅうりは「馬」に見立てて故人が早く帰って来られるように、なすは「牛」に見立ててゆっくりとお戻りいただけるようにという願いが込められています。
●迎え火:
お盆の始まりに焚く火で、故人やご先祖様の霊を自宅へお迎えする目印として行われます。
●送り火:
お盆の終わりに焚く火で、お迎えした故人やご先祖様の霊を感謝の気持ちとともに送り出すためのものです。
●お斎(おとき):
法要後に参列者へ振る舞われる会食のことです。故人を偲びながら、参列者への感謝を伝える大切なおもてなしの場でもあります。
Q. 初盆と新盆は違いますか?
A. 基本的に意味は同じです。どちらも「故人が亡くなられ、四十九日(忌明け)を終えたあとに初めて迎えるお盆」のことを指し、呼び方は地域によって異なります。
Q. 四十九日前にお盆を迎えた場合も初盆になりますか?
A. いいえ。初盆となるのは、四十九日を終えたあとに初めて迎えるお盆です。そのため、お盆までに四十九日を迎えていない場合は、翌年のお盆が初盆となります。
Q. 初盆法要は家族だけで行っても大丈夫ですか?
A. はい、問題ありません。近年では、ご家族や近親者のみで初盆法要を営むご家庭も増えています。大切なのは、故人を偲び、心を込めて供養することです。
Q. 初盆では会食(お斎)は必ず行うものですか?
A. 必須ではありません。最近では会食を設けず、お弁当や返礼品のみをお渡しする形式を選ぶご家庭も多くなっています。
Q. 初盆に参列できない場合はどうすればよいですか?
A. あらかじめ欠席の連絡をしたうえで、香典を現金書留で送ったり、お供え物を法要前に届くよう手配したりするのが一般的です。お悔やみの手紙やメッセージを添えると、より丁寧な印象になります。
Q. 子どもも喪服を着る必要がありますか?
A. 学校の制服がある場合は、制服を着用して問題ありません。制服がない場合は、黒・紺・グレーなど落ち着いた色合いの服装を選ぶと安心です。
Q. 白提灯(新盆提灯)は誰が用意するものですか?
A. 地域の風習によって異なります。施主が準備する場合もあれば、親族から贈られる場合もありますので、ご家族や菩提寺へ確認しておくと安心です。
Q. 初盆のお供えは郵送しても失礼になりませんか?
A. 郵送でも失礼にはあたりません。法要日の2〜3日前までに届くよう手配し、お悔やみや供養の気持ちを添えたメッセージを同封すると、より丁寧です。
Q. 香典だけ持参しても大丈夫ですか?
A. はい、地域によっては香典のみでも問題ありません。ただし、お供え物も持参する風習が残る地域やご家庭もあるため、迷った場合は施主へ確認しておくと安心です。
Q. 初盆は毎年行うものですか?
A. いいえ。初盆は、故人が亡くなられて初めて迎えるお盆だけを指します。翌年以降は通常のお盆として、ご先祖様とともに供養を行います。
初盆(新盆)は、故人が亡くなられて四十九日(忌明け)を終えた後に初めて迎える、特別なお盆です。通常のお盆よりも大切な供養の機会とされ、多くの地域で法要や読経、お墓参りなどを行い、故人を偲びながら感謝の気持ちを捧げます。
一方で、お盆を迎える時期や法要の進め方、盆飾り、返礼品などは、地域や宗派、ご家庭によって異なる場合があります。迷った際は、菩提寺やご親族へ相談しながら準備を進めると安心です。
また、初盆では香典やお供え物を用意する機会も多くあります。お供え物の選び方や掛け紙(のし)の書き方、表書き、金額相場、お返しのマナーなどについて詳しく知りたい方は、「お供えとは?意味・のしの書き方・マナー・金額相場・お返しを徹底解説」のページもぜひあわせてご覧ください。