岩手指定伝統工芸品「南部箪笥」が紡ぐ、七十余年の研鑽と漆の輝き
公開日:2026/04/27 更新日:2026/05/15岩手県が誇る指定伝統工芸品「南部箪笥」は、昭和20年の創業以来、70年以上の長きにわたり世界中で愛され続けている伝統家具です。その高い完成度を支えているのは、一つの家具を仕上げるために注ぎ込まれる複数の専門技術です。
まず目を引くのは、木目の美しさを最大限に引き出す「摺り漆(すりうるし)」の塗装です。漆を幾重にも塗り重ね、拭き取る作業を繰り返すことで、表面には深い艶と堅牢さが備わります。さらに、重厚感を添える「手打彫金金具」は、職人が一つひとつ金槌で紋様を打ち出したもので、装飾性だけでなく耐久性にも寄与しています。そして、釘を使わずに木を組み上げる「指物(さしもの)」の技術が、狂いの少ない堅固な構造を実現しています。
マルイ造形家具工業の工房では、これらの高度な伝統技法を大切に守りながら、現代の住空間にも調和する製品を生み出しています。単なる収納家具としてではなく、生活に寄り添う芸術品としての風格を纏った南部箪笥は、時を経るごとに漆の味わいが増し、次世代へと受け継ぐ価値のある逸品として、今なお多くの人々を魅了し続けています。