オイルフィルターの分解比較~当店の商品は純正品とほぼ同じ中身でした 公開日:2026/07/26 更新日:2026/07/26
「安いオイルフィルターは、中身がスカスカなのでは」・・・そう思われるのは当然だと思います。
そこで当店では、自社で販売しているオイルフィルターと、ディーラーで購入した国産メーカーの純正品を、実際にエアーサンダーで切り開いて中身を比べました。
結論から言うと、はっきり差が出たのは「ろ紙の素材」の1点だけでした。リリーフバルブなどの機能に欠落はなく、缶の厚みにいたっては当店品のほうが厚いという結果です。
■ はじめての方へ
当店・えびすツールは、オイルフィルターやエンジンオイル、パーツクリーナーといった自動車整備の消耗品を専門に扱う通販店です。整備工場さま、運送会社さま、そしてご自身で整備をされるDIYユーザーさまにご利用いただいています。
ありがたいことに数多くのご注文をいただく一方で、初めてのお客様からは必ずと言っていいほど同じ声をいただきます。
「安いけど、品質は大丈夫なのか」
言葉で「大丈夫です」と書くのは簡単ですが、それでは何の証明にもなりません。なら、切って見せるのが一番早い。そう考えて、この検証を行いました。
実際、当店のレビューでも整備工場のお客様から「安いのでバラして中を見てみましたが、しっかりしてます」という声をいただいています。同じことを、当店自身の手でやってみた記録です。
当店の社外品オイルフィルターと、国産メーカーの純正品を1つずつ用意し、缶を切り開きました。
最初は缶切りで開けようとしましたが、オイルフィルターの缶は缶詰とは比べ物にならないほど硬く、まったく歯が立ちません。次にプライヤーでかしめ部分をこじ開けようとしましたが、これも同様でした。結局、エアーサンダーで切断してようやく開いたというのが実際のところです。
純正品・当店品ともに、手工具ではどうにもならないほどしっかりした作りであることが、分解を始める前の段階で確認できた形になりました。
■ 確認した4つのポイント
ろ紙(フィルターエレメント):素材、ひだの数、厚み
リリーフバルブ:オイルが汚れて圧力が高まったとき、ろ紙を通さずオイルを流す安全弁
アンチドレンバルブ:エンジン停止時にオイルがフィルターから抜け落ちるのを防ぐ逆止弁
缶(ケース):材質の厚み、溶接・かしめの精度
なお、今回分解したのはそれぞれ1点ずつです。メーカーやロットによって作りに差がある可能性はありますが、以下は実際に手で触り、ノギスで測った結果をそのまま記載しています。
差がついたのは、ろ紙の素材です。それ以外の項目では、同等か、当店品が上回る結果になりました。
以下、それぞれの部位について、実際の写真と実測値でお伝えします。
先に、負けている部分からお伝えします。
ろ紙はオイル中の金属粉やカーボンなどの不純物を取り除く、フィルターの心臓部です。ノギスで計測したところ、ひだの数は純正品が62枚、当店品が49枚と、純正品のほうが多いという結果でした。ひだが多いほど、オイルが通過する濾過面積は広くなります。
一方で、ろ紙1枚あたりの厚みは純正品が1mm、当店品が2mmと、当店品のほうが倍の厚さがありました。厚みがある分、ろ紙自体の強度や剛性は増します。面積を取るか、1枚の強さを取るか。ここは単純にどちらが優れているとは言えない、トレードオフの関係です。
■ 燃やして分かった、素材の差
問題は素材です。両製品のろ紙を実際に燃やして比べました。
当店品のろ紙は完全に燃え切って灰になりました。紙(セルロース・植物パルプ系)と考えられます。対して純正品のろ紙は、燃やし切った後も形が残りました。紙とグラスファイバー等の複合素材で作られていると考えられます。
複合素材は、高温・高圧環境での耐久性や濾過精度の安定性に優れる傾向があります。今回の検証で、素材コストの違いが最も明確に表れた部分がここでした。
正直に申し上げて、ひだの数や紙の厚みよりも、この素材の差が実質的な品質差に直結する可能性があります。価格差の正体は、ここにあると考えていただいて差し支えありません。ただし、これが実際の走行で体感できる差になるかどうかは、また別の話です。この点は後述します。
■ バルブの省略はありませんでした
安価なオイルフィルターで最も懸念されるのが、「本来あるべきバルブが省略されているのではないか」という点です。実際、アンチドレンバルブが省略された安価な製品は存在します。これがないと、エンジン停止後にオイルがフィルター内から抜け落ち、次回始動時に一瞬オイルが循環しない「ドライスタート」の状態になりやすくなります。
その上で、今回の分解結果です。リリーフバルブは、純正品・当店品ともに搭載されていました。
アンチドレンバルブについては、当店品はアッパープレート・アンダープレート・ろ紙が一体構造になっているため、独立した1つのパーツとして取り出せる作りではありませんでした。ただし、それに相当すると思われる機構は確認できています。
もう1点、意外だったことがあります。分解前は「純正品は金属製のばねを使っているだろう」と想定していたのですが、開けてみると純正品・当店品ともにゴム製でした。想定とは違いましたが、機能としては同じように作動します。
安いフィルターを選ぶ際は、商品ページにバルブの構造説明があるかどうかを一つの判断材料にしてください。極端に安いだけで構造の説明がない商品は避けたほうが無難です。
■ 缶の厚みは、当店品が上でした
缶本体の切断には、前述のとおりエアーサンダーを使いました。純正品・当店品ともに手工具では開けられないほどかしめがしっかりしており、開けやすさに差は感じませんでした。かしめの精度も両製品ともに良好で、溶接部分に漏れにつながるような粗さは見当たりません。
そしてノギスで実測した缶の厚みは、純正品が0.6mm、当店品が0.75mm。缶の強度という観点では、当店品が純正品を上回っています。
なお外装の見た目は、純正品がツヤなし仕上げ、当店品がツヤあり仕上げでした。どちらに高級感を感じるかは好みの問題で、見た目から品質を判断することはできないというのが、分解してみての実感です。
分解して、1点だけ明確な違いが見つかりました。純正品のケースパッキンには、オイルまたはグリス状のものが塗布されていました。ゴムの劣化を防ぐためのものと思われます。当店品には、この塗布がありません。
そのため、取り付けの際は、パッキン部分にご自身でオイルを薄く塗布してください。ひと手間かかりますが、オイル漏れの防止と、次回取り外し時の固着防止という2つの効果があります。カラ締めしたパッキンは、次のオイル交換時に張り付いて外れにくくなります。
隠さずに書いておきます。この一手間を惜しまなければ、当店品と純正品で取り付け後のトラブルリスクに差はないと考えています。
■ 失敗しない取り付け・3つのポイント
オイル漏れの原因として多いのは、製品の品質ではなく取り付け時のミスです。次の3点を押さえてください。
① パッキンにオイルを薄く塗る 新しいフィルターのパッキン(Oリング)に、指で新油を薄く一周塗ります。
② 手締め+規定トルクで締める パッキンが取り付け面に接触してから、さらに3/4回転〜1回転が一般的な目安です。締めすぎるとパッキンが潰れて逆に漏れの原因になり、緩すぎれば当然漏れます。「力いっぱい締めれば安心」ではありません。トルクレンチをお持ちの場合は、車種の整備要領書に記載された規定トルクに従ってください。
③ 始動後に必ず漏れを確認する 取り付け後にエンジンを始動し、数分アイドリングさせてから停止。フィルター周辺とオイルパンをのぞき込み、にじみがないかを目視で確認します。オイルレベルの再確認も忘れずに。
ここまで読んでいただいた方が次に思うのは、「では、なぜ安いのか」だと思います。理由は3つです。
■ 1.ISO9001認証工場で製造しています
当店のオイルフィルターは、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001の認証を取得した工場で製造されています。品質管理の仕組みが第三者機関に評価されている工場ということです。「安い=管理されていない工場で作られている」わけではありません。お客様のレビューでも「ISO9001認証工場で製造されているとのことで安心して使用している」という声を複数いただいています。
■ 2.まとまった数量で仕入れています
当店はオイルフィルターを継続的に、まとまったロットで仕入れています。回転する分だけ仕入単価を下げられるため、その分を販売価格に反映しています。
■ 3.中間流通を挟んでいません
工場から当店、当店からお客様まで、余計な段階を挟まない形をとっています。
つまり、価格を下げているのは「仕入れと流通の作り方」であって、中身を削っているからではないというのが、当店の考え方です。今回の分解結果は、その裏付けとしてご覧いただければと思います。
当店では、オイルフィルターを累計12,000個以上お届けしてきました。そのデータから見える傾向をお伝えします。
タイプ別で最も選ばれているのは、スズキ・ダイハツ・三菱・スバル系の車種に対応するDSO-1タイプで、全体の約4割超を占めています。軽自動車を中心とした車両保有率の高さが、そのまま反映された結果と言えます。購入形態は、単品購入が約8割、まとめ買いが約2割でした。
「家には軽自動車が4台あり、消耗品はまとめ買いしている」
「車両を複数所有しているため重宝している」
こうした声からも、複数台を所有されている個人のお客様や整備工場さまが、まとめ買いでコストを抑えられている様子がうかがえます。
■ レビュー:良い声も、気になる声も
当店に寄せられたオイルフィルター関連のレビューは約300件、平均★4.8台です(楽天市場店以外のレビューも含む)。良い声だけを並べても参考にならないと思いますので、気になる声もあわせて掲載します。
最も多いのは、
「純正品となんら遜色なく使用できた」
「純正品と比較しても同じと思う」
という品質面での評価です。数年間使い続けていて、漏れや不具合がないというリピーターの方の声も複数いただいています。
一方で、次のような声もいただいています。
「容積が小さいことに不満があった」
・・・車種やモデルによって、サイズ感に差を感じる場合があるようです。商品ページの適合車種一覧をご確認ください。
「ねじ山が固いものがある」
「やや締め込みにくい個体があった」
・・・無理な力をかけず、手で回らなくなったところから規定トルクで締めてください。
「梱包が簡素」
「パッキンに塗布されているオイルが少ない」
・・・梱包は価格を抑えるための割り切りです。パッキンのオイルについては、前述のとおり取り付け時にご自身で塗布をお願いします。
機能面での重大な不具合はほとんど報告がない一方、外装の仕上げや個体差は純正品より大きい。これが実態です。ここは隠さずにお伝えしておきます。
すべての方に当店品をおすすめするつもりはありません。次のような場合は、純正品や品質情報が明記された製品を選ばれることをおすすめします。
新車の保証期間中で、ディーラー指定品の使用が条件になっている場合
・・・指定品をご使用ください。
サーキット走行など、高負荷での使用が前提の場合
・・・リリーフバルブやろ紙にかかる負荷が大きくなります。
オイル交換の間隔を大きく延ばして乗り続ける場合
・・・ろ紙の素材差が効いてくる可能性があります。
逆に言えば、一般的な乗用車・軽自動車を通常の走行距離で使い、オイル交換のたびにフィルターも交換される使い方であれば、当店品で十分です。
複数台を管理される整備工場さまが、構造に大きな差がない前提でコスト効率を優先されるのも、合理的な判断だと考えています。
Q1.漏れる心配はありませんか?
A1.当店品にもリリーフバルブと、それに相当する機構が備わっており、構造上の欠落はありませんでした。漏れの原因で多いのは製品の品質ではなく取り付け時のミスです。パッキンへのオイル塗布忘れ、締め付けトルクの不足・過剰がほとんどを占めます。
Q2.一番安いものでいい?
A2..すべての安価品が同じ作りとは限りません。アンチドレンバルブが省略された製品も実在します。極端に安いだけで構造の説明がない商品は避け、製造工場の情報(ISO9001認証など)が明記された商品をお選びください。
Q3.適合タイプの調べ方は?
A3. 各商品ページに適合車種一覧を掲載しています。お車のメーカー・車種・型式をご確認のうえお選びください。迷われる場合は、お問い合わせフォームよりご相談ください。
Q4.まとめ買いはできますか?
A4.はい。単品のほか、まとめ買い商品をご用意しています。複数台を所有されている方や整備工場さまにご利用いただいており、1個あたりのコストを抑えられます。
Q5.交換時期の目安は?
A5.一般的にはオイル交換ごと、または2回に1回が目安とされています。この目安が構造の違いによって大きく変わるものではありません。
Q6.分解する意味はある?
A6.構造を理解し、納得して使うための一つの方法だと考えています。ただし分解したフィルターは再使用できません。今回のページを、その代わりとしてご覧ください。
■ 最後に
価格差が最も明確に表れたのはろ紙の素材で、ここは正直に純正品が上です。一方で缶の厚みは当店品が上、かしめの精度も同等以上、リリーフバルブも搭載済み。「安い=全体的に劣る」ではなく、部位によって優劣が異なる・・・これが、実際に切って測って分かったことです。
当店は外装の仕上げにコストをかけていません。その代わり、中身は切って見せられるものを仕入れています。そのうえでご判断いただければ、これ以上のことはありません。
※検証は1点を対象とし、ロットにより差がある可能性があります。寸法はノギスによる実測値、ろ紙の素材は燃焼試験からの推定です。実績・レビュー件数は当店の販売データに基づく集計値です。