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発達が遅れている・順番が違う? 「つまずき」は、個性や特性発達のプロセスのひとつ

公開日:2026/04/27 更新日:2026/07/06
本記事は佐藤珠美先生によるコラムで、 「乳幼児のスキンケア」「寝かしつけ」「抱っこ」など、 産後のママが抱えやすい悩みに寄り添いながら、毎日の育児に 役立つ情報をわかりやすく発信しています。
乳児の親御さんの間に、「首がすわらない」「寝返りをしない」「一人で座れない」「座ったままで移動する」など、運動発達の進み具合や発達の順序が通りでないことに、育児の「つまずき」を感じ、不安に駆られる人が少なくありません。 子どもの発達を不安に思うのは、お子さんの成長を心待ちにしている表れで、ごく自然なものです。不安は決して悪いものではありません。 むしろ、よりよい育児につなげるための「きっかけ」や、現状を見直す「サイン」として機能します。「つまずき」を発達の失敗や停滞ととらえず、個性や特性、発達のプロセスのひとつとして考えると育児が楽になります。

乳児期に見られる運動発達の「つまずき」

先に説明しましたように、発達の段階でよく見られる「つまずき」があります。 ・生後4か月頃に90%以上首がすわると言われていますが、5か月頃になるお子さんもいます。親があまりに首がすわらないことを気にしすぎて、頭や首を保護しすぎてしまうと、頭を支える筋肉の発達が遅れるという指摘もあります。首がすわらないうちは支えが必要ですが、首の筋肉の発達にあわせて、腹ばい遊びを1日1回1分程度から始めてもよいかもしれません。 ・赤ちゃんが寝返りをする時期は、3か月から10か月までと非常に個人差が大きいことを知っておくことが必要です。臨床的に見ていると、体重が軽く動きが活発なお子さんは寝返りが早く、体重が重くどっしりしているお子さんは寝返りをするのがゆっくり進んでいるように思います。 ・お座りも寝返りの時期と同様に、個人差が大きいことが知られています。10か月頃までは焦らずに見守ってあげましょう。膝の上に乗せ前向き抱っこをするなど、お座りが楽しいと感じられる時間をつくると良いでしょう。 ・四つ這いの「ハイハイ」をせずに、「座ったままで移動する」お子さんが10%程度見られると言われています。歩き始めるのはやや遅くなるようですが、お子さんなりの移動手段を獲得できていれば問題ありません。 ・早産で生まれた場合には、修正月齢で判断しましょう。発達が遅くても、順番が変わっても、他の発達に問題なければ、個性の範囲と考え、過度に不安になる必要はありません。発達ばかりにとらわれず、おっぱいをよく飲み、体重の伸びが順調で、よく笑うなど、全体を見て判断しましょう。

赤ちゃんと遊びましょう

「つまずき」にとらわれるよりも、赤ちゃんと遊びましょう!  昔は、発達を単なる遺伝や年齢による計画的な変化だと考え、発達の階段を一段ずつ上がっていくものだと信じられていました。 しかし現代では、脳、身体、環境、社会的相互作用など様々な要素が影響し合って、時間の経過とともに絶えず変化するものとして捉えられています。この理論によると、お子さんの発達が停滞したり、時には順番が飛んだりしたとしても問題なく、お子さんは置かれた環境のなかで、自分に合った道をたどりながら、マイペースに進んでいると言えます。 心配はしても良いのですが、そのうちに結果が出ます。 心配ばかりして育児をするよりも、お子さんの発達の過程を一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。 「ハイハイ」にしても「お座り」にしても、お子さんの「やりたい」という意欲が大事です。やりたくないのに強制しても、親子ともに楽しくはないでしょう。 発達の過程では、タイミングを見計らって、ちょっと助けてあげると、すっと進むことがあります。それは、遊びを通して得ることができます。 例えば、抱っこを嫌がる場合に、座った状態で膝の上に座らせ前向きに抱っこし、目の前の人とおしゃべりをすると、赤ちゃんも自分が主役になったように大人の会話を一緒に楽しむことができます。支えられた状態でお座りをすることで、自分でも座りたいという意欲が高まるかもしれません。 また、ハイハイをしない子には、空間を広くして、少し離れたところ、ちょっと頑張れば届きそうな位置からお気に入りのおもちゃを見せたり、名前を呼んだりすれば、近づいてくるかもしれません。生後1か月から、発達に合った遊びを生活のなかにどんどん取り入れていきましょう。個人的には、無理に抱っこしなくてもハグをしたり、遊びを取り入れたりすることで、赤ちゃんはご機嫌になります。

おわりに

育児情報誌やネットに書かれているとおりに、発達が進まなくても大丈夫です。 発達の「つまずき」を感じたとしたら、これまでの子育てを見直す良い機会になります。 昔から子育ては十人十色と言われてきたことの根拠が、科学によってどんどん明らかになってきています。 一見、発達の「つまずき」は失敗や停滞と感じられるかもしれませんが、個性や特性、発達のプロセスのひとつとして考えると育児が楽になります。 子どもの成長は瞬く間に過ぎます。どうぞこの貴重な時間を楽しんでください!
更新日09/14(09/07〜09/13集計)