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初めての育児に戸惑うパパへ贈る、スモールステップで始める産後育休

公開日:2026/09/30 更新日:2026/09/30
産後パパ育休を取ったものの、何から手をつければいいのか分からない。 そんな戸惑いは、パパが学ぶ機会や練習の時間を持てないまま育児が始まることから生まれます。 完璧を目指さず、小さな一歩から始めるための考え方をお話しします。
厚生労働省の2025年調査によると、男性の産後育休取得率は初めて5割を超えました。しかし、その多くは数日から2週間という「短期取得」に留まっています。また、現実には、有給休暇(年休)で対応しているケースも少なくありません。数字の上では普及が進んでいるように見えますが、男性育休には、まだまだ多くの課題が残されています。 育休期間が数日から2週間と短ければ、やっと育児のスタートラインに立った段階で職場復帰を迎えることになります。そのため、「夫として、早く役に立たなければ」「一日も早く育児に慣れなければ」というプレッシャーから、空回りしてしまうパパも少なくありません。 なぜ、せっかく育休を取ったのに、これほど辛い状況に陥ってしまうのでしょうか。その理由を紐解きながら、今後パパたちがどのように育休期間を過ごせばよいのか、一緒に考えていきましょう。

短期育休が抱える課題

出産直後から24時間体制で赤ちゃんのお世話をしているママは、手探りながらも、授乳や着替え、おむつ替えなどの基本スキルを日々身につけていきます。一方でパパは、そうした経験を積む機会が圧倒的に少ない状態からスタートします。妻のやり方を真似たり、教えてもらったりしながら少しずつ慣れていく段階です。しかし、ようやく慣れ始めたタイミングで「復職」を迎えてしまうため、多くのパパに不完全燃焼感が残ってしまいます。 このようなパパの状況は、満身創痍のママの目にはどう映るでしょうか。妊娠・出産のダメージや慢性の寝不足と闘っているママにとって、パパの手際の悪さは、時にイライラやストレスの原因になってしまうことがあります。ママはわが子の命と健康を守るために必死で気を張り詰めているからこそ、パパに対してつい言葉が厳しくなってしまうのです。さらに、パパが復職した後にママが「ワンオペ育児」を強いられることになれば、ママの孤独感はより一層深まります。 残念ながら、社会全体を見渡すと「育休=休み」と捉えている人はまだ少なくありません。職場の同僚や上司からは、「育休をとったのだから、これまで以上にしっかり働いてもらおう」という有言・無言のプレッシャーをかけられることもあるでしょう。育児に慣れないまま、24時間体制の家庭対応と寝不足でフラフラの状態で職場復帰するパパの大変さ。それを周囲が理解し、サポートしてくれる社会になるには、まだ少し時間がかかるかもしれません。だからこそ、この厳しい現状を多くの人と共有し、社会の意識を変えていくことが必要なのです。

「育休=休み」ではない

育児を妻任せにしてきた世代のなかには、育児の過酷さをイメージできない人が今もなお存在します。そうした誤解を解くためには、身近な女性や育児経験者とともに「育休中のリアルな過ごし方」を職場でオープンに話題にし、共有していくことが大切です。 育休は決して「休み(休暇)」ではなく、家族を支えるための「大切な仕事」である。その事実を周囲に知ってもらうことで、あなた自身が「誰もが子育てしやすい職場」へと変革をもたらす、最初の一歩になれるかもしれません。

知っておきたい男性の産後うつ

実は、男性も女性と同様に、産後1年間は「産後うつ」になるリスクがあります。男性の場合は女性よりも発症の時期が遅く、個人差はありますが産後3〜6か月頃にピークが来ることが特徴です。育休をとったことへの(職場に対する)申し訳なさや、「父親になったのだから自分が頑張らなければ」という強い責任感から、限界を超えて努力してしまうパパは少なくありません。 育休期間が終わっても、家庭での育児はノンストップで続いていきます。赤ちゃんが生まれる前と比べて生活リズムは激変し、夜泣きによる深刻な睡眠不足に悩まされることもあります。ここで無理を重ねてしまうと、うつ病の発症につながりかねません。復職後は周囲に状況を伝えて、仕事量を少しセーブさせてもらったり、定時退社ができるよう配慮をお願いしたりすることが大切です。そして、もし心身に不調(イライラが続く、眠れないなど)を感じたら、一人で抱え込まずに早めに専門医や周囲へ相談しましょう。

「スマホばかり」の本当の理由

産後育休を取得したものの、妻や家族から「育児を手伝わずにスマホやゲームばかりしている」と責められてしまうパパがいます。しかし、これにはパパなりの深い理由や戸惑いが隠されているものです。パパはママと違って、育児について学ぶ機会が限られています。また、入院中に24時間体制で赤ちゃんをお世話するような「練習期間」もありません。そのため、「目の前の赤ちゃんとどう接していいのかわからない」「何をどう手伝えばいいのか見当もつかない」という状態になりがちなのです。 さらに、不慣れで手際が悪いと「期待されている役割を果たせていない」と自分を責め、仕事の焦りも重なって、ストレスから無意識にスマホやゲームの世界へ逃避してしまうことがあります。周りから冷たい視線を浴びながら、心からスマホを楽しんでいるパパなどいません。「言い訳をしたいけれど、何から話せばいいのかすらわからない」というのが本音ではないでしょうか。一方で、ママの側も心身ともに少しの余裕がありません。お互いに悪気はないのに、この時期特有のすれ違いが起きてしまうのです。

スモールステップで進める

育児の知識や経験が少ないうちは、完璧を目指す必要はありません。目標を小さく設定し、スモールステップで進めていくことが大切です。 ① 最優先は「妻の睡眠と体力回復のサポート」 まず最優先で行うべきことは、早めに「妻に十分な睡眠をとらせ、体力の回復をサポートすること」です。そのために、まずは掃除、洗濯、料理といった家事全般をパパが引き受けましょう。これなら、育児がわからなくてもすぐに始められます。

鉄板は赤ちゃんのお風呂

② パパの鉄板育児!「赤ちゃんのお風呂」をまるごと担当する 家事に慣れてきたら、次は育児です。おすすめは、パパが得意としやすい「赤ちゃんのお風呂(沐浴)」。お湯の準備から、入浴、そして上がった後の後片付けまで、一連の流れをまるごと担当してみましょう。それ以外の育児は、自分ができそうなことから少しずつ範囲を広げていけば大丈夫です。

優しいふれあいで慣れていく

③ 優しいふれあいで、少しずつ赤ちゃんに慣れていく 生まれたばかりの赤ちゃんですが、すでに目は見えていますし、耳も聞こえています。優しく肌に触れ、抱っこをし、声をかけながら、少しずつ「パパと赤ちゃん」の時間を育んでいきましょう。

まとめ

日本でも、産後パパ育休の制度やサポート体制が徐々に整いつつあります。しかし、実態を見ればまだまだ「育児後進国」と言わざるを得ない面があるのも事実です。人手不足が深刻な社会において、子どもが生まれたからといって育休を申請すること自体、簡単ではないかもしれません。ましてや長期の育休となれば、自身のキャリアへの影響や収入減少への不安を感じるのも当然のことです。 しかし、パパが育児に参加することは、家庭にとってはもちろん、これからの社会にとっても非常に重要な意味を持ちます。せっかくの素晴らしい制度が、夫婦を追い詰めては本末転倒です。もしかしたら、あなたの身近にはまだ、育休への理解者が少ないかもしれません。ですが、同じように悩みながら奮闘している仲間や、パパたちの挑戦を心から応援している人はたくさんいます。一人で抱え込まず、周囲の力を借りながら、みんなで「誰もが子育てしやすい社会」を一緒に作っていきましょう。