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細菌性膣症と妊活・妊娠

公開日:2026/03/24 更新日:2026/03/24
妊娠を望むとき、多くの方が気にするのは、排卵の有無やホルモンバランス、子宮や卵巣の状態ではないでしょうか。 もちろんそれらはとても大切ですが、実はもうひとつ、見落としたくないのが「腟内環境」です。 腟の中にはさまざまな菌が存在し、ふだんは乳酸菌が優勢であることで、弱酸性の環境が保たれています。 このバランスが崩れ、乳酸菌が減ってほかの菌が増えた状態が「細菌性膣症(BV)」です。おりものやにおいの変化として気づかれることもありますが、無症状のことも少なくありません。だからこそ、妊活中のうちから知っておく意味のあるテーマです。(CDC:the U.S. Centers for Disease Control and Prevention ) 細菌性膣症は、単なるデリケートゾーンの不快感にとどまらず、妊娠中には前期破水や早産との関連が指摘されています。 一方で、「見つけたら全員が同じように検査や治療を受ければよい」と単純に言えるものでもなく、症状の有無や早産リスクによって考え方が変わります。 今回は、妊娠を望む女性に向けて、細菌性膣症とは何か、なぜ早産との関連が話題になるのか、妊娠中の治療はどう考えるのか、そして妊活中からできる日々のケアについて、整理したいと思います。

細菌性膣症とは?

細菌性膣症は、腟内で本来多いはずの乳酸菌が減少し、Gardnerella などを含む嫌気性菌が増えることで起こる「腟内フローラの乱れ」です。 代表的な所見としては、均一でさらっとしたおりもの、魚っぽいにおい、腟内pHの上昇などが知られています。 ただし、かゆみが強いとは限らず、見た目の変化も目立たないことがあるため、「なんとなくおりものがいつもと違う」「少しにおいが気になる」程度で過ごしてしまう方もいます。(CDC) ここで大切なのは、細菌性膣症は“清潔にしていないから起こる”ものではない、ということです。 腟内環境は、ストレス、睡眠不足、ホルモン変化、抗菌薬の使用、性交渉、洗いすぎなど、さまざまな影響を受けて揺らぎます。 妊活中は生活リズムの見直しや体調管理に気を配る方が多いですが、腟内環境もまた、体のコンディションを映しやすい部分のひとつです。外側からのケアだけでなく、内側のバランスも意識しておきたいところです。(CDC)

細菌性膣症が早産のリスクになる?

細菌性膣症が注目される大きな理由は、妊娠中の経過との関連です。CDC(the U.S. Centers for Disease Control and Prevention )は、妊娠中の症候性BVが、前期破水、早産、子宮内感染、産後子宮内膜炎などの有害転帰と関連するとしています。 つまり、妊娠中に症状のある細菌性膣症がみられた場合には、「よくあるおりものトラブル」と軽く考えず、きちんと評価・治療することが大切だということです。 この関連を示す研究は以前から積み重ねられており、2003年のメタ解析では、細菌性膣症があると早産リスクは2倍超に高まり、特に妊娠16週未満や20週未満の早い時期に認められた場合に、より強い関連が示されました。 また、自然流産との関連も報告されています。すべての妊婦さんに同じように当てはまるわけではありませんが、「腟内環境の乱れが妊娠経過に無関係ではない」ことは、妊活中の方にとって知っておく価値のある情報です。(PubMed) ただし、ここで誤解したくないのは、関連があることと、全員を一律に調べて治療すれば早産を防げることは別、という点です。USPSTF(米国予防医療専門委員会)は、症状のない妊婦で、早産リスクが高くない人に対するBVスクリーニングについて、早産予防の利益はないとして推奨していません。 過去に早産歴があるなどハイリスクの方では結論が分かれており、現時点では十分なエビデンスがそろっていないとされています。 つまり、実際の医療では「症状があるか」「既往があるか」「妊娠経過に気になる点があるか」を踏まえて、個別に判断することになります。

妊娠中の細菌性膣症の治療方法

妊娠中に細菌性膣症が疑われる場合、特におりものの変化やにおいなどの症状がある場合には、産婦人科で相談することが基本です。 治療には主にメトロニダゾールやクリンダマイシンが用いられ、CDCでも症候性の妊婦に対する治療が勧められています。 メトロニダゾールについては妊娠中の使用リスクは低いとされており、必要な場面では医師の判断のもとで治療が行われます。(CDC) 一方で、妊娠中の治療は、妊娠していないとき以上に慎重さが求められます。 症状の原因が本当に細菌性膣症なのか、ほかの感染症ではないか、今の週数や全身状態をどう考えるかなど、確認すべきことが多いからです。 市販品で自己判断したり、においが気になるからと洗いすぎたりすると、かえって腟内環境を乱すこともあります。 特に妊娠中は、「何か気になる症状があるならまず受診」が大前提です。 サプリメントやセルフケアは、あくまで日常のコンディションづくりを支えるものであって、診断や治療の代わりにはなりません。

妊活中から行うデリケートゾーンケア

こうした背景から、近年は「妊娠してから困らないために、妊活中から腟内環境を意識したい」と考える方が増えています。 そこで注目されているのが、女性のデリケートな環境に着目した乳酸菌です。 中でも「乳酸菌UREX」は「L. rhamnosus GR-1 」と 「L. reuteri RC-14 」の組み合わせからなるプロバイオティクスで、Novonesisの情報では、女性の泌尿生殖器の健康領域で研究されてきた菌株として紹介されています。 医薬品の説明ではなく、あくまでプロバイオティクス素材としての位置づけですが、腟内マイクロバイオータのバランスをサポートすることが期待されています。(Novonesis) 先程も言いましたが、妊娠中はとかくからだがセンシティブですし、摂るものにも気を配ることが求められます。研究等で証明されているとはいえ、躊躇することもあるかと思います。 なので、妊娠中に悩まないよう、妊娠前の妊活中からできることはやっておきたいもの。その一つとして妊活中から、膣内環境に意識を持ち、それを整える乳酸菌サプリメントの摂取を習慣化させることも、妊活の一つの要素だと思います。

最後に

細菌性膣症は、ありふれたおりものの悩みのように見えて、妊娠中には前期破水や早産との関連が気になる存在です。 そして、いざ妊娠してから治療を考える段階になると、症状の見極め、受診のタイミング、薬の選択など、どうしても神経を使う場面が増えます。 だからこそ、本当に大切なのは、妊娠してから慌てることではなく、妊娠前の妊活中から細菌性膣症になりにくい環境づくりを意識しておくことなのだと思います。(CDC) 日頃から体調の変化に目を向けること、違和感があれば早めに相談すること、そしてデリケートゾーンの環境を意識した生活習慣を整えること。その延長線上に、毎日のセルフケアとして 乳酸菌UREX のような成分を取り入れる選択肢もあります。 治療が必要なときは医療へ、日常のコンディションづくりは自分で丁寧に。その両方を上手に使い分けながら、妊活の時期から未来の妊娠に備えていきましょう。