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歯ぎしりの原因と対策|歯を守るためにできること

公開日:2026/10/05 更新日:2026/10/05
「朝起きるとあごが疲れている」「家族から寝ているときに歯ぎしりをしていると言われた」という経験はありませんか。 歯ぎしりは睡眠中などに無意識に歯を強く接触させたり、こすり合わせたりする行為で、一般に「ブラキシズム」と呼ばれます。自分では気づきにくい一方、繰り返されると歯やあごに大きな力がかかることがあります。 ただし、歯ぎしりがあるからといって、必ず歯やあごに問題が起こるわけではありません。大切なのは、自分の状態を把握し、必要に応じて歯科医院で相談することです。 今回は、歯ぎしりが起こる原因や気づくためのサイン、歯への影響、日常生活でできる対策についてわかりやすく解説します。

① 歯ぎしりとは?主な種類を知ろう

歯ぎしりというと、寝ている間に「ギリギリ」と歯をこすり合わせる行為をイメージする人が多いでしょう。 しかし、歯やあごに力が加わる習慣にはいくつかのタイプがあります。 代表的なのが、上下の歯を横方向へこすり合わせる「グラインディング」です。睡眠中に音が出やすいため、家族から指摘されて初めて気づくケースがあります。 また、上下の歯を強く噛みしめる「クレンチング」もあります。こちらは大きな音が出ないことがあり、自分でも周囲の人でも気づきにくいのが特徴です。 さらに、起きている時間にも、仕事や勉強に集中しているとき、緊張しているときなどに無意識に上下の歯を接触させていることがあります。 本来、食事や会話などをしていない安静時には、上下の歯はわずかに離れているのが一般的です。 「歯ぎしり=寝ているときだけ」と考えず、日中の噛みしめにも目を向けてみましょう。

② 歯ぎしりはなぜ起こる?考えられる原因

歯ぎしりには一つだけの明確な原因があるわけではなく、さまざまな要因が関係すると考えられています。 その一つとして挙げられるのがストレスや緊張です。 仕事や人間関係などによる精神的なストレスが強い時期に、歯ぎしりや食いしばりが気になる人もいます。ただし、ストレスだけが原因とは限りません。 睡眠の状態や生活習慣、飲酒、喫煙、カフェインの摂取、一部の薬剤などが関連する場合もあります。 また、睡眠中の歯ぎしりについては、睡眠中の覚醒反応など複数の要因が関係すると考えられています。 以前は「噛み合わせが悪いから歯ぎしりが起こる」と説明されることもありましたが、歯ぎしりは単純に噛み合わせだけで説明できるものではありません。 原因を自己判断して、歯を削るなどの対応をするのは避けましょう。 気になる場合には、歯科医院で歯の状態や噛み合わせ、あごの状態などを確認してもらうことが大切です。

③ 歯ぎしりに気づくためのセルフチェック

睡眠中の歯ぎしりは自分で確認することが難しいため、本人に自覚がないケースも少なくありません。 家族やパートナーから「寝ているときに歯をギリギリさせている」と言われたことがある場合は、わかりやすいサインの一つです。 そのほかにも、次のような変化がないか確認してみましょう。 ・朝起きたときにあごが疲れている ・あごの筋肉が張っている感じがする ・歯がすり減って平らになっている ・歯に欠けやヒビが見られる ・詰め物や被せ物が繰り返し壊れる ・冷たいものなどで歯がしみる ・頬の内側や舌に歯の跡がついている ・日中、気づくと歯を噛みしめている ただし、これらがあるからといって必ず歯ぎしりが原因とは限りません。 歯の摩耗や知覚過敏、あごの痛みなどには別の原因が隠れていることもあります。 特に歯の欠けや痛み、口が開けにくいといった症状が続く場合には、自己判断せず歯科医院へ相談しましょう。

④ 歯ぎしりを放置すると

歯やあごにどう影響する?

歯ぎしりで問題になりやすいのは、歯やあごへ繰り返し強い力が加わることです。 通常の食事でも歯には力が加わりますが、睡眠中の歯ぎしりや強い食いしばりでは、自分で力を調節しにくくなります。 その状態が続くと、歯の表面が徐々にすり減る「咬耗」が見られることがあります。 歯がすり減った結果、内部の象牙質が露出すると、冷たい飲み物などでしみやすくなることもあります。 さらに、強い力によって歯にヒビが入ったり、詰め物や被せ物へ負担がかかったりする場合があります。 歯だけではありません。 噛むために使う筋肉へ負担がかかり続けることで、朝起きたときにあごが疲れていたり、あご周辺に痛みや違和感が出たりすることがあります。 人によっては顎関節にも負担がかかります。 一方で、歯ぎしりがあっても症状がほとんど現れない人もいます。そのため、「歯ぎしりをしている=必ず治療が必要」というわけではありません。 歯やあごへのダメージがあるかどうかを確認することが重要です。

⑤ 自分でできる歯ぎしり・食いしばり対策

睡眠中の歯ぎしりを意識だけで止めることは難しいため、「絶対に歯ぎしりをしないようにしよう」と考えすぎる必要はありません。 まず取り組みやすいのが、日中の食いしばりに気づくことです。 パソコン作業、スマートフォン操作、車の運転、家事などをしているときに、上下の歯が接触していないか時々確認してみましょう。 気づいたら肩やあごの力を抜き、上下の歯を離します。 デスクやパソコンの近くなど、普段よく目にする場所を「力を抜くタイミング」と決めておくのも一つの方法です。 また、睡眠環境を整えることも大切です。 できるだけ規則正しい生活を心がけ、就寝前はゆったり過ごして睡眠を確保しましょう。アルコールやカフェインなどが歯ぎしりに影響する可能性もあるため、摂取量や時間を見直してみるのもよいでしょう。 ただし、こうした生活習慣の改善だけで歯ぎしりが完全になくなるとは限りません。 歯の摩耗やあごの痛みなどがある場合は、セルフケアだけで済ませず歯科医院へ相談してください。

⑥ 歯科医院で相談して歯を守ろう

歯ぎしりそのものを完全になくすことが難しい場合でも、歯やあごへの負担を減らすための対策があります。 歯科医院では、歯のすり減りやヒビ、詰め物・被せ物の状態、あごの筋肉や顎関節などを確認し、必要に応じて治療方法を検討します。 代表的な対策の一つが、就寝時に使用する**マウスピース(ナイトガード、スプリント)**です。 マウスピースは歯ぎしりそのものを必ず止めるためのものではありませんが、上下の歯が直接強く接触することを避け、歯や補綴物などを保護する目的で使用されることがあります。 ただし、すべての人に同じ方法が適しているわけではありません。 市販品を自己判断で長期間使用するより、歯やあごに症状がある場合には歯科医師に相談し、自分の口の状態に合った対策を考えることが大切です。 また、強いいびきや睡眠中の呼吸停止を指摘されている場合、強い日中の眠気がある場合などは、睡眠時無呼吸症候群など別の問題が関係している可能性もあるため、歯科医院や医療機関への相談を検討しましょう。 歯ぎしりは、自分では気づきにくい習慣です。 「朝になるとあごが疲れている」「歯がすり減ってきた」「家族に歯ぎしりを指摘された」といった変化があれば、一度口の状態を確認してみましょう。 日中は食いしばりに気づいたら力を抜く、生活リズムや睡眠環境を整える、そして歯やあごに異常があれば歯科医院へ相談する。 こうした習慣を続けることが、大切な歯を歯ぎしりによる負担から守ることにつながります。