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「くらしの品 ハイテクのまち 三条」

公開日:2026/10/02 更新日:2026/10/05

いつもそこにあった、三条の風景。

三条市の田んぼの中に、長い間立っていた大きなモニュメント。 「くらしの品 ハイテクのまち 三条市」 高速道路と上越新幹線が並んで走る場所にあり、車からも新幹線の車窓からも見ることができました。 1989年7月1日に設置されたとされ、それから37年。 三条に住んでいる私にとっても、そこにあることが当たり前の風景でした。

出かけるときも、帰ってくるときも。

私にとって、このモニュメントにはいろいろな思い出があります。 高速道路で三条を離れるとき、このモニュメントが見えてくると、これから始まる旅への楽しみを感じました。 新幹線で出かけるときも同じです。 燕三条駅を出発し、長岡方面へ向かう途中にこのモニュメントが見えると、「いよいよ出発だな」と、これから始まる旅に自然と気持ちが高まったものです。 そして帰りは、まったく違います。 遠くから見慣れた緑色のモニュメントが見えてくると、「ああ、無事に地元まで帰ってきた」と、ほっとする。 出かけるときには楽しみを感じ、帰ってくると安心する。 いつの間にか私にとって、そんな存在になっていました。

仕事中に見ると、遠くへ行きたくなった。

高速道路や新幹線に乗っているときだけではありません。 仕事でトラックに乗り、燕市へ向かう近道を走っているときにも、このモニュメントが見えました。 いつもの仕事。 いつものトラック。 いつもの道。 そんな日常の中で、遠くに立っているモニュメントを見ると、不思議と「どこか遠くへ遊びに行きたいな」と思わせてくれました。 同じモニュメントなのに、見るときによって感じることは違う。 今になって思えば、それだけ日常の中に溶け込んでいたのだと思います。

ネットショップで使おうと思って撮った一枚

ここに掲載している写真は、今回の記事を書くために撮影したものではありません。 田植えが終わったばかりで、田んぼいっぱいに水が張られる季節。 水面にはモニュメントが映り、私が一年の中でも特にきれいだと思う三条の風景です。 当時、私はこの景色を見ながら、 「いつかネットショップをオープンしたら、この写真を使いたい」と思い、写真に残しておきました。 それから年月が経ち、実際にネットショップを運営するようになりました。 まさか、モニュメントがなくなることをきっかけに、この写真を使う日が来るとは思ってもいませんでした。

そして今日、見に行ってきました。

解体されるという話を知り、今日、久しぶりにその場所へ行ってみました。 もしかしたら、まだ残っているかもしれない。 そんな気持ちも少しありました。 けれど―― そこには、もう何もありませんでした。
見慣れていた大きな緑色のモニュメントも、鉄骨もなくなり、きれいに撤去されていました。 同じ場所なのに、こんなにも景色が違って見えるものなのかと思いました。 そこにあることが当たり前だったものは、なくなって初めて、その存在の大きさに気づくのかもしれません。

「くらしの品」という言葉。

改めて昔の写真を見ると、「くらしの品 ハイテクのまち 三条市」と書かれています。 考えてみれば、私たちが三条の工場で毎日作っているものも、「くらしの品」です。 キッチンで毎日使われる水切りラックを、自分たちの工場で作り、自分たちで検品し、梱包して、全国のお客様へお届けする。 ネットショップという販売方法は、モニュメントが建てられた頃とは大きく変わりました。 それでも三条で「くらしの品」を作っていることは、今も変わりません。

37年間、ありがとう。

出かけるときには、これから始まる時間への楽しみを。 帰ってくるときには、無事に地元へ戻ってきた安心を。 そして、いつもの仕事の途中には、どこか遠くへ行きたいと思わせてくれた。 ずっとそこにあるものだと思っていました。 もう、あの場所でこのモニュメントを見ることはできません。 でも、昔撮っておいた一枚の写真と、そこを通るたびに感じていた気持ちは残っています。 そして、モニュメントに書かれていた、「くらしの品」という言葉も。 モニュメントはなくなってしまいましたが、私たちはこれからも、この三条で「くらしの品」を作り続けていきます。 長い間、三条の風景でいてくれて、ありがとう。
更新日:10/10(10/03〜10/09集計)