今回はヤケーヌのパーツについて、少しご紹介させてください。サイドについている小さな面ファスナー――「マジックテープ」と呼ばれることの多いあのパーツです。一見すると地味な存在ですが、ここにも私たちのこだわりが詰まっています。
「マジックテープ」という名称はクラレファスニング株式会社の登録商標で、面ファスナー全般の一般名称ではありません。ちょうど「セロテープ」や「宅急便」と同じように、特定ブランドの名前が広く定着した例のひとつです。
ヤケーヌに採用しているのは、そのクラレファスニングが展開する「フリーマジック®」というタイプです。通常の面ファスナーはフック面とループ面の2種類がセットで必要ですが、フリーマジックは1枚の面にフックとループの両方が配列されており、同士でくっつく構造になっています。
このタイプを選んだ理由のひとつが、生地を傷めにくいことです。ヤケーヌはニット素材の製品です。通常の面ファスナーのフック面が誤って生地に触れると、繊維が引っかかってほつれや毛玉の原因になることがあります。フリーマジックはやわらかいループ糸が表面に出ているため、ニット素材との相性がよく、毎日の洗濯や繰り返しの着脱でも生地へのダメージを抑えることができます。
また、横方向への引っ張りに対して強い固定力を発揮する点も、屋外での使用を想定したヤケーヌにとって重要なポイントでした。風や動作でフェイスカバーがずれようとする力に対してしっかり対応しながら、着け外しはワンタッチで完了します。手袋をしたままでも脱着しやすく、農作業や屋外スポーツの現場でも使いやすい設計を意識しました。
留め方については、スナップボタン式の商品も別ラインナップとして展開しています。スナップボタンにはない面ファスナーならではの強みが、サイズ調整のしやすさです。顔のかたちや大きさは人それぞれ異なります。面ファスナーであれば、貼り合わせる位置をわずかにずらすだけで、自分の顔にぴったり合わせた微調整が可能です。また、スナップボタンは髪に引っかかりやすいという声もあることから、面ファスナータイプはそのストレスを感じにくい設計にもなっています。用途やお好みに合わせて選んでいただけるよう、両タイプを揃えています。
小さなパーツひとつにも、使う方の快適さを考えた判断を積み重ねています。ヤケーヌをお使いいただく際に、そんな背景も少し思い出していただけたら嬉しいです。