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老犬の冬支度|寒さと関節のこと

公開日:2026/08/29 更新日:2026/10/02

寒くなると動かなくなる

気温が下がると、犬も人と同じで体が動きにくくなります。とくに高齢の犬は、朝いちばんに立ち上がるまでの時間が長くなったり、散歩に行きたがらなくなったりします。年のせいだと片づけられがちですが、寒さと関節の状態が重なって起きていることが多い時期です。冬に入る前に手を打てることを整理します。

朝がいちばんつらい

関節に不調がある犬は、体が冷えて固まった朝に動きが鈍くなります。寝床から立ち上がるまでに何度か試す、最初の数歩がぎこちない。動き出してしばらくすると普通に歩ける場合、これは典型的な傾向です。朝の様子を数日観察して、動き出しまでの時間を覚えておくと、獣医に伝えるときの材料になります。

寝床の位置を見直す

床から直接冷えが伝わる場所、窓際、廊下の風が抜ける位置。この三つは冬のあいだ避けてください。厚みのあるベッドを一枚敷くだけで、朝の動き出しが変わることがあります。暖房の風が直接当たる場所も、乾燥するので向きません。人が寝ていて寒いと感じない位置が目安になります。

散歩の時間を変える

冬は、いちばん暖かい昼前後に散歩の時間を移してください。早朝と夜は路面が冷たく、肉球からも体温が奪われます。距離を伸ばすより、短い距離を回数分けたほうが体には優しい。歩きたがらない日は無理に引かず、家の中で歩かせるだけでも構いません。動かさないことのほうが、悪化を早めます。

体重が効いてくる

冬は運動量が落ちる一方、食事量が変わらないことが多く、体重が増えやすい時期です。体重が一キロ増えると、関節にかかる負担はそれ以上になります。散歩の距離が減った分、食事量を少し落とす。この調整をしておくと、春に響きません。増えてから減らすのは、犬にとっても大変です。

サポーターを使う場面

後ろ足に力が入りにくい犬、以前に膝や股関節を痛めた犬には、関節を保温しつつ支えるサポーターが使われます。締めつけて固定するものではなく、動きを妨げずに保温と補助をする程度のものが日常向きです。散歩のときだけ着ける、寒い日の朝だけ着ける、といった使い方でも構いません。

着けるときの注意

毛のある動物に装具を着けるときは、毛が巻き込まれていないか、皮膚が擦れていないかを毎回確認してください。長時間つけっぱなしにせず、外したときに皮膚が赤くなっていないかを見る。嫌がる犬には、まず数分だけ着けて外す、を何日か繰り返して慣らします。無理に長時間着けると、次から逃げます。

床のすべりも冬の話

暖房を使う季節は、床に敷いていたものを片づけて拭き掃除の回数が増えます。フローリングが露出すると滑りやすくなり、関節への衝撃が増える。滑り止めのマットを、寝床から水飲み場、玄関までの動線に敷いてください。全面に敷く必要はなく、よく通る道だけで効果があります。

獣医に相談する目安

足を上げたまま歩く、触ると嫌がる、以前は登れた段差を避けるようになった。このどれかがあれば、寒さの問題ではありません。関節炎や靭帯の損傷が隠れていることがあります。冬の前に一度診てもらっておくと、必要なら痛みの管理を始められます。サポーターはその上での補助です。

春までの過ごし方

冬のあいだに動かなくなると、春には筋力が落ちた状態で迎えることになります。寒い時期こそ、短くても毎日体を動かす。室内で名前を呼んで歩かせるだけでも違います。無理をさせないことと、動かさないことは別です。この線引きが、翌年の歩き方を変えます。