雨がやんで、さあ畳もうとしたとき。骨がねじれ、布がはみ出し、いくら整えても筒に入らない。濡れた手で何度もやり直しているうちに、袖まで濡れる——折りたたみ傘を使う人なら、一度は経験したことがあるはずです。
畳めない原因ははっきりしています。布を骨の間に均等に折り込む作業が、片手ではできないからです。傘は開いた状態で完成するように作られていて、閉じた状態は「無理やり縮めた形」でしかありません。
このページでは、うまく畳むコツと、そもそも畳む手間がいらない傘の選び方を整理します。
手持ちの傘できれいに畳みたい場合は、順番があります。
①先に水を切る。閉じる前に、開いたまま軽く2〜3回振る
②親骨を1本持ち、その骨に沿って布を引き出す
③引き出した布を、隣の骨に向かって同じ方向に巻きつける
④これを1周繰り返す
⑤最後にベルトで留める
コツは③をすべて同じ向きにそろえることです。向きがばらばらになると、どこかで布が余って筒に入らなくなります。
ただし、これを雨のなか、片手で、傘を持ちながらやるのは現実的ではありません。
きれいに畳めないのは、技術の問題だけではありません。
・骨の数が多い——8本より10本のほうが布の折り目が細かく、そろえるのが難しい
・生地が滑る——撥水加工が効いているほど、布どうしが滑って形が決まらない
・濡れている——乾いた状態ならできることが、濡れると全部難しくなる
・両手が使えない——荷物、傘、鞄。実際の外出時に空いている手は多くて一本です
つまり、うまく畳めないのは使い方が下手だからではなく、そういう条件で使われる道具だからです。
そこで出てきたのが、布の折り目があらかじめ決められていて、閉じると自然に整う構造の傘です。骨と布の関係が固定されているため、力任せに閉じても布が同じ位置に収まります。
技術も練習もいりません。畳み方を間違えようがないという設計です。
通勤で毎日使う人、荷物が多い人、子どもを連れている人。両手が空かない状況で傘を使う機会が多いほど、この一点の差が積み重なります。
自動開閉とは、ボタン一つで開き、もう一度押すと閉じる機構のことです。
本当に効くのは開くときより閉じるときです。車に乗り込む瞬間、店に入る瞬間、電車に駆け込む瞬間。片手に荷物を持ったまま、もう片方の手で傘を閉じる——この一動作が、ボタン一つで済みます。
注意点もあります。閉じるボタンで縮むのは骨だけで、布を巻いて筒に入れる作業は残るということ。自動開閉と「きれいに畳める構造」は別の機能です。両方そろって初めて、片手で完結します。
折りたたみ傘を選ぶとき、確認したいのは次の5点です。
骨の数——多いほど風に強く、形もきれいですが、重くなります。8〜10本が実用的な範囲
骨の素材——グラスファイバーはしなって折れにくい。金属は硬いが曲がると戻らない
直径——100cm前後が一人用の目安。105cmあれば肩まで入ります
重さ——常時カバンに入れるなら軽さが効きます
晴雨兼用かどうか——UVカット加工があれば日傘としても使えます
価格だけで選ぶと、たいてい骨の素材で後悔します。
折りたたみ傘が壊れる原因の大半は風です。
おちょこ返しになったとき、金属の骨は曲がったまま戻りませんが、グラスファイバーの骨はしなって元に戻ります。耐風をうたう傘の多くが、この素材を使っています。
また、骨の数が多いほど布にかかる力が分散され、一点に負担が集中しにくくなります。
ただし、どんな傘でも強風時は無理をしないでください。傘は風を受ける面積が大きく、体ごと持っていかれることがあります。
傘の寿命を縮めるのは、たいてい濡れたまましまうことです。
・帰宅したら開いて陰干しし、完全に乾かしてから畳む
・玄関に置きっぱなしにせず、乾いたらカバンや傘立てへ
・撥水が落ちてきたら、乾いた状態でドライヤーの温風を軽く当てると回復することがあります
・骨の付け根に砂やほこりが溜まったら、乾いた布で拭く
特に自動開閉の傘は、内部に水が入るとバネの動きが鈍くなります。使ったあとに一度開いて乾かす、それだけで寿命が変わります。
Q.自動開閉の傘は壊れやすいですか。
A.機構がある分、濡れたまま放置すると動きが悪くなります。乾かしてから収納すれば、通常の使用で問題ありません。
Q.風が強い日に自動で開いてしまいませんか。
A.ボタンを押さないかぎり開きません。ただしカバンの中で押されないよう、収納袋に入れておくのが安心です。
Q.日傘としても使えますか。
A.晴雨兼用でUVカット加工のある製品であれば使えます。仕様をご確認ください。
Q.子どもでも扱えますか。
A.開閉時にバネの力が働きますので、小さなお子さまが使う場合は大人が見守ってください。