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敬老の日に贈る、実用的なもの|70代80代の選び方

公開日:2026/08/23 更新日:2026/10/02

「実用的なもの」がいちばん難しい

敬老の日の贈り物で、毎年いちばん多く聞くのが「実用的なものがいい」という言葉です。お菓子や花はうれしいけれど残らない。健康食品は好みが分かれる。かといって高価なものは気を遣わせてしまう。 実用的、という条件は一見やさしそうで、実はかなり難しい注文です。本人が本当に困っていることを知らないと外すからです。「あったら便利かも」で選んだものは、たいてい引き出しに入ったままになります。 このページでは、日常のどの場面で困りごとが起きやすいかを整理し、そこから逆算して選ぶ方法をまとめます。

困りごとは「動作」に出る

年齢を重ねて出てくる不便は、病気というより動作に現れます。 ・立つ/座る——正座、床からの立ち上がり、車の乗り降り ・歩く/出かける——外出先での不安、道に迷う心配 ・見る/操作する——家電のボタン、リモコンの文字 ・体の重さ——首や肩のこわばり、腰の張り 本人はこれらを口にしません。「まだ大丈夫」と言います。だから、贈る側が普段の様子から拾う必要があります。直近1か月で、少しでも手を貸した場面を思い出すと、答えが見つかりやすくなります。

70代へ贈るなら

70代はまだ現役で動く方が多く、「介護用品」に見えるものは受け取りづらいことがあります。選ぶなら、本人が自分で使い方を決められるものが向いています。 ・法事や集まりで使う、目立たない正座椅子 ・出かける機会が多い方には、外出を快適にする小物 ・家電の操作を少し楽にするもの ポイントは、贈り物に「衰え」のニュアンスをのせないこと。「これ便利だったから」と自分が使った感想を添えて渡すと、素直に受け取ってもらいやすくなります。

80代へ贈るなら

80代になると、実際の動作の負担が具体的になってきます。ここでは遠慮より安全を優先して構いません。 ・車の乗り降りを支える手すり ・外出時の見守り ・立ち座りの負担を減らす道具 転倒は、その後の生活を大きく変えてしまいます。「転ばないための道具」は、贈り物としては地味でも、いちばん価値が長く残ります。 施設に入居されている方へ贈る場合は、持ち込みの可否とサイズを先に確認してください。置き場所が限られていることが多く、大きなものは負担になります。

孫から贈るなら

孫からの贈り物は、実用性より会いに行く理由になることのほうが喜ばれます。写真、手紙、一緒に撮った動画。それだけで十分成立します。 そのうえで、何か形のあるものを添えたいなら、日常で毎日目に入るものを。使うたびに思い出す、という構造が長く効きます。 小さなお子さんがいる家庭なら、孫と一緒に使えるものもよい選択です。会ったときに「これ、この前もらったやつ」と話題になります。

法事やお参りの場面を支える

高齢のご家族にとって、法事や墓参りは年に何度もある大切な予定です。同時に、体にはいちばん負担のかかる場面でもあります。 長時間の正座、立ち座りの繰り返し、慣れない会場での移動。「行きたいけれど、正座がつらいから」という理由で足が遠のいてしまうのは、本人にとっても寂しいことです。 目立たない正座椅子は、こうした場面のための道具です。黒一色で礼服や着物の裾に隠れ、正面からはほとんど見えません。折りたためばバッグに入るので、法事用の荷物に一つ加えておけます。

車の乗り降りを楽にする

通院の送迎、買い物、家族でのおでかけ。車に乗る機会は思っている以上に多く、そのたびに乗り降りの動作が発生します。 後部座席は開口部が狭く、頭をかがめながら体をひねる必要があります。ドア枠は滑りやすく、シートの背もたれは押すと沈み込む。「しっかり握れて、動かない場所」が後席にはありません。 前席のヘッドレストに差し込んで手すりを足すタイプのグリップなら、工具なしで一分ほどで取り付けられます。本人が自分でつかまって乗り降りできるようになると、介助する側の腰の負担も減ります。

外出の心配をやわらげる

「一人で出かけて、帰ってこられるだろうか」という心配は、口に出しにくいものです。本人の自由を制限したくないという気持ちと、万一への不安が同居します。 見守りの道具は、行動を制限するためではなく、心配なく出かけてもらうためのものです。持ち物は忘れても靴は履いて出るので、靴の中敷きの下に仕込むタイプが確実です。月額のかからないタグ型なら、続けやすさの面でも現実的です。 ただし精度や更新の速さには限界があります。地域の見守りネットワークなど、他の手段と組み合わせて考えてください。

家電が使いにくくなったら

視力が落ちてくると、まず困るのが家電の操作です。電子レンジの「あたため」、洗濯機の「標準」、エアコンのリモコン。ボタンの形はどれも同じで、印刷された小さな文字でしか区別できません。 触って分かる目印を、よく使うボタンにだけ貼る。形の違うシールを機能ごとに割り当てれば、文字を読まなくても指先でたどり着けます。 一度にたくさん貼らないのがコツです。まず一台、そのなかでも最重要のボタン一つか二つから始めて、慣れてから広げてください。

贈る前に確認したいこと

最後に、渡す前のチェックです。 ・すでに同じものを持っていないか ・置き場所はあるか(施設なら持ち込み可否も) ・本人が一人で使えるか、説明が必要か ・「年寄り扱いされた」と感じさせない渡し方になっているか 実用品を贈るときは、使い方を一緒にやってみる時間まで含めて贈り物だと考えてください。箱を開けて説明して、その場で一度使ってみる。それだけで、引き出しに入ったままになる確率がぐっと下がります。 当店では、正座椅子、車の乗り降りグリップ、見守りタグ、点字シールなど、日常の「ちょっと不便」を減らす日本企画の生活用品を取り扱っています。