【第1回】アトピー性皮膚炎について | アトピーってなに?
公開日:2025/11/04 更新日:2025/12/11「保湿もしてるのに、また出てきた…」—アトピー性皮膚炎(以下アトピー)は、良くなったり悪くなったりをくり返す、かゆみの強い湿疹を中心とする病気です。うつる病気ではありません。まずは"なぜ起きるか(仕組み)"を知って、毎日のケアを整えましょう。
・バリア(角質層)が弱る…水分が逃げる→乾燥→刺激を感じやすい
・炎症が起こる…赤み・湿疹・ジクジク
・かゆみ神経が敏感に…掻く→さらに壊れる→もっとかゆい…の悪循環
この“三角形”が同時に動くため、保湿だけでも薬だけでも十分に効かないことがあります。「やさしく洗う→すぐ保湿→必要なところに薬」の順番が大切です。
・乾燥(湿度40%未満)、熱(熱いお湯・運動直後)
・汗・摩擦(こすり洗い、タオル・マスク・衣類)
・洗浄剤の刺激(強すぎる洗浄力)
・ハウスダスト、ダニ、花粉、ストレス、睡眠不足など
「原因は一つ」と決めつけず、小さな要因が積み重なると考えると対処しやすくなります。
1) ぬるめ入浴(38〜40℃、5〜10分)
こすらず泡で短時間。最後はぬるま湯でさっと流す。
2) 上がってすぐに保湿
・ローション(化粧水)で補水。
・ミルク/クリーム(セラミド・アミノ酸系)で抱水。
・こすれやすい 口角・頬骨・手の甲 はワセリンを薄く(“フタ”=封鎖)
3) 衣類・生活
肌に触れる面は綿などやわらかめ素材を。室内湿度は50〜60%目安。
4) 日中の工夫
汗は押さえるように拭く。マスク・ティッシュ摩擦の前にワセリンやバームを薄く塗布。
5) 夜のかゆみ対策
就寝前にぬる湯→保湿→寝室は少しひんやり+湿度50〜60%。爪は短く。
・ステロイド外用:炎症をしっかり鎮める“メイン薬”。部位や強さを使い分け。
・非ステ外用(タクロリムス等)、JAK外用:顔や長期管理での選択肢。
・プロアクティブ療法:良くなった後も週2回だけ塗って再燃を抑える方法。
薬は怖い/やめたいという方も多いですが、治癒へもっていくためには正しい量、期間で“必要な時に使う”のがコツ。量はFTU(指先単位)で見える化することができます。
・「うつる?」→ うつりません。
・「保湿だけで治すべき?」→ 炎症が強い時は薬の併用が回復を早め、結果的に薬の総量も減らせます。
・「熱いお湯の方が気持ちいい」→ 一時的にかゆみが紛れても乾燥と悪化につながりやすいのでぬるめで。
・広い赤み、ジクジク、黄色いかさぶたがある
・発熱、強い痛み、夜眠れないほどのかゆみ
・1〜2週間セルフケアを続けても改善しない
小児は悪化が速いことも。迷ったら皮膚科へ。
写真記録を見せると診察がスムーズです。
・ぬるめ入浴5〜10分、こすらない
・上がって3〜5分以内に保湿(ローション→ミルク/クリーム→必要部位だけワセリン/バーム)
・悪化の引き金(乾燥・汗・摩擦・強洗浄)を一つずつ減らす
監修者:島村久美子(薬剤師)
株式会社フロックス代表。敏感肌スキンケア、インナーケア成分設計、漢方薬やハーブ活用にも精通。LINOの製品開発・監修を担当し、角層バリアと低刺激設計に基づく情報監修の他、薬局実務も行っています。
資格:薬剤師/漢方薬生薬認定薬剤師
実績:敏感肌向けスキンケアの処方設計/OEM事業多数/スチーム事業監修/教育コンテンツ連載 ほか
開示:本記事のテーマと関連する自社製品の開発・監修に関与しています。