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胡蝶蘭は「吊るす」ともっと可愛い!おしゃれなインテリアになる「空中栽培」の始め方

公開日:2026/01/08 更新日:2026/04/11
胡蝶蘭といえば「白い大きな鉢植え」のイメージが強いですが、最近、海外のボタニカルショップやインテリア上級者の間で「吊るして飾る」スタイルが注目されているのをご存知ですか? ゆらゆらと空中に浮かぶ姿、ワイルドに伸びる根のシルエットは、まるで生きたアート。 「なんだか難しそう」と思われるかもしれませんが、実はこれ、野生の胡蝶蘭にとっては一番自然な姿なのです。 DIYで簡単に作れる「板付け」の方法から、お部屋がグッと洗練される飾り方まで、農家が教える「吊るす胡蝶蘭」の楽しみ方をご紹介します。 ▼\吊るすのにおすすめのコンパクト胡蝶蘭/ ハンギングするのにちょうどよいサイズの胡蝶蘭! 花色も明るく吊るすだけで空間がおしゃれに!!

胡蝶蘭を「吊るす」スタイルがいま人気

「部屋に植物を置きたいけれど、場所がない」 「猫や子供が鉢を倒してしまうのが心配」 そんな悩みを持つ方にこそおすすめしたいのが、この「空中栽培(ハンギング)」です。 □ 鉢を置く場所がなくても大丈夫。デッドスペースが「特等席」になる 吊るすスタイルの最大のメリットは、床や棚のスペースを占領しないことです。 カーテンレールや壁のフック、天井から下げるダクトレールなど、普段使っていない「空中のデッドスペース」が、植物を飾る特等席に早変わりします。 目線の高さに緑が来ることで、部屋全体が立体的になり、カフェのようなおしゃれな空間が生まれます。 □ 360度どこから見ても美しい。自由に伸びる「根」こそが鑑賞ポイント 鉢植えでは土の中に隠れている「根っこ」。実はこれこそが、吊るす胡蝶蘭の隠れた主役です。 銀白色に輝く太い根が、空気を求めて四方八方に伸びていく姿は、生命力そのもの。 花が咲いていない時期でも、そのワイルドな造形美(フォルム)を楽しめるのが、このスタイルの醍醐味です。 □ 洋風、和モダン、インダストリアル。どんな部屋にも馴染む抜け感 重厚な陶器鉢がない分、見た目が軽やかで「抜け感」が出ます。 流木に付ければナチュラルや男前インテリアに、コルクならビンテージ風に、苔玉(こけだま)なら和モダンに。 合わせる素材によって表情が変わり、どんなインテリアにも驚くほど馴染みます。

自分好みの「吊り下げ方」を選ぼう

「吊るす」といっても、その方法は一つではありません。 お部屋の雰囲気や、DIYの難易度に合わせて、あなたにぴったりのスタイルを見つけてください。 □ 【板付け・着生】コルクやヘゴ板に張り付かせる、一番人気のスタイル 今、SNSなどで最も人気があるのがこのスタイルです。 コルク樹皮やヘゴ板、焼杉板などの「平らな板」に、水苔を使って胡蝶蘭を固定します。 壁に絵画を飾るような感覚でディスプレイできるため、場所を取らず、白い壁にグリーンのコントラストが非常によく映えます。最近流行りのビカクシダ(コウモリラン)のようなカッコよさがあります。 □ 【ハンギング】ワイヤーやマクラメで、鉢ごと(または水苔玉で)吊るす 「板に付けるのはちょっと難しそう…」という方は、ハンギングから始めてみましょう。 軽いプラスチック鉢のまま、マクラメ(紐編み)のプラントハンガーに入れたり、ワイヤーバスケットに入れたりして吊るします。 また、鉢を使わず、根っこを水苔でボール状に丸めた「苔玉(こけだま)」にして、麻紐で吊るすのも可愛らしくておすすめです。 □ 【流木アレンジ】自然の造形美と合わせる、世界に一つのインテリア より個性を出したいなら、海岸や川で拾った(または購入した)「流木」に着生させるのが最高におしゃれです。 流木の複雑な形と、胡蝶蘭の根が絡み合う姿は、まさに自然のアート。 形がいびつなので固定するのに少しコツがいりますが、完成した時の存在感は圧倒的です。

【DIY実践】初心者でも簡単!手順を解説

「難しそうに見えるけれど、実は簡単」 それが板付けのいいところです。特別な道具は必要ありません。休日の工作気分でチャレンジしてみましょう。 □ 用意するのは「着生材」「水苔」「テグス(透明な糸)」の3つだけ ホームセンターや園芸店、ネット通販で以下の3つを揃えてください。 着生材(ちゃくせいざい): コルク樹皮、ヘゴ板、流木など。100円ショップの木製カッティングボードや焼き網でも代用可能です。 水苔(みずごけ): 乾燥タイプのものを、バケツの水で戻して絞っておきます。 テグス(釣り糸): 透明なナイロン糸。目立たないので仕上がりが綺麗です。木綿糸や麻紐でもOKですが、数年で腐って切れるので注意。 □ 根についた古い土を落とし、根を広げて板にセットする まず、胡蝶蘭を鉢から抜きます。 根についている古い水苔やバークをすべて取り除き、「裸の状態」にします。この時、黒く腐っている根があればハサミで切り取って整理しておきましょう。 次に、板の「胡蝶蘭を取り付けたい位置」に、軽く絞った水苔を薄く敷きます。その上に、根を広げるようにして胡蝶蘭を乗せます。 □ 湿らせた水苔で根を覆い、テグスでぐるぐる巻きにして固定すれば完成 広げた根の上から、さらに水苔を被せて根を隠します(おにぎりを握るようなイメージです)。 最後に、テグス(糸)で全体をぐるぐると巻いて固定します。 【農家のコツ】 ここでのポイントは「親の敵(かたき)のようにキツく巻く」ことです(笑)。 遠慮して緩く巻くと、株がグラグラして根が張りません。「ちょっと可哀想かな?」と思うくらい、しっかりと強めに巻き付けて板に密着させてください。 最後に糸を結べば完成です!

吊るして育てる「水やり」のルール

鉢植えの胡蝶蘭は「水のやりすぎ」が厳禁でしたが、板付けなどで吊るす場合は逆です。 保水する土がないため、風ですぐに乾きます。そのため、「水やりは毎日、豪快に」が新ルールです。 □ 土がない分、水やりは豪快に。全体への「シャワー」や「霧吹き」が日課 基本は、毎朝の「霧吹き(シリンジ)」です。 葉っぱだけでなく、むき出しになっている根や水苔の部分に向かって、水がしたたるくらいたっぷりと吹きかけてください。 もしベランダやお風呂場に移動できるなら、霧吹きではなく、シャワーでザバザバと全体にかけてしまってもOKです。 植物が水を浴びて生き生きとする姿を見るのは、朝のとても気持ちの良い時間になります。 □ 週に一度はバケツにドボン!「ソーキング」で芯まで潤す 霧吹きだけでは、中の水苔まで十分に水が行き渡らないことがあります。 そこで週に1回(夏場は2回)程度、バケツに水を張り、板ごと・株ごと「ドボンと沈める入浴タイム(ソーキング)」を作ってあげてください。 時間は10分〜30分程度で十分です。 芯までしっかり水を吸わせることで、株の張りが戻り、乾燥による脱水を防げます。 □ 水が滴る姿も美しい。お風呂場やベランダでのケアを楽しむ 「部屋の中で水が垂れるのは困る」という場合は、 お風呂場や洗面所に移動して水をかけ、水が切れるまで吊るしておく。 天気の良い日はベランダに出して、外の風に当てながら水をあげる。 このように、水やりの時だけ場所を移動させるのも楽しみの一つです。 水滴をまとった胡蝶蘭がキラキラと光る様子は、インテリアグリーンならではの美しさです。

どこに飾る?ディスプレイのコツ

せっかくおしゃれに仕立てたのですから、最高の場所に飾ってあげたいですよね。 「映える」場所は、実は胡蝶蘭にとっても「育ちやすい」場所であることが多いのです。 □ カーテンレールの近くや、ダクトレールを使った「高低差」のある配置 一番手軽で植物も喜ぶのが、「窓際のカーテンレール」に吊るす方法です。 光も確保でき、風通しも抜群です。 また、照明用のライティングレール(ダクトレール)用のフックを使えば、部屋の中央に吊るすことも可能です。 いくつか並べて飾る時は、紐の長さを変えて「高低差」をつけると、リズムが生まれてショップのような洗練された空間になります。 □ 直射日光はNG。木漏れ日のような「レースカーテン越し」がベスト おしゃれに見せたいからといって、直射日光がガンガン当たる窓ガラス越しに吊るすのはNGです(葉焼けしてしまいます)。 必ず「レースのカーテン越し」の柔らかい光に当ててください。 木漏れ日のような優しい光の中で、ゆらゆらとシルエットが浮かぶ様子はとても幻想的です。 □ 風通しの良い場所で揺れる姿は、植物にとっても最高の環境 胡蝶蘭は、空気が淀んだ場所が大嫌いです。 人間が心地よいと感じる「そよ風」が通る場所を選んでください。 エアコンの風が「直接」当たり続ける場所は乾燥しすぎるのでNGですが、サーキュレーターなどで部屋の空気が循環している環境は最高です。 わずかに葉が揺れるくらいの風通しがあれば、病気知らずで元気に育ちます。

実は最強の健康法!!根腐れ予防にも

「おしゃれだから」という理由で始めた板付け栽培ですが、実はこれ、胡蝶蘭の健康にとっても「理にかなった最強の栽培法」なのです。 見た目が良いだけでなく、株が驚くほど元気になる理由を、農家視点で解説します。 □ おしゃれなだけじゃない!常に風が通るから「根腐れ」が起きない 鉢植え栽培の最大の敵は「根腐れ」ですが、吊るすスタイルではそのリスクがほぼゼロになります。 なぜなら、根が常に空気に触れており、風通しが抜群だからです。 水をあげてもすぐに乾くため、ジメジメと湿り続けることがありません。「過保護で水をやりすぎて枯らしてしまう」という失敗が多い方には、むしろこのスパルタな環境の方が向いています。 □ 根が空気を吸えるため、鉢植えよりも株ががっしりと丈夫になる 胡蝶蘭の根は、水分だけでなく「酸素」を大量に必要とします。 鉢の中に閉じ込められているよりも、空中に裸で出ている方が、根は呼吸がしやすく喜びます。 実際に吊るして育ててみるとわかりますが、鉢植えの時よりも根が太く、緑色が濃くなり、野性味あふれるガッシリとした株に育ちます。 □ 根腐れしてしまった株の「レスキュー策」としても有効 もし、お手持ちの鉢植えが根腐れして瀕死の状態なら、鉢から抜いて吊るしてみてください。 腐った根を取り除き、風通しの良い場所に吊るすことで、腐敗が止まり、新しい健康な根が出てきやすくなります。 「おしゃれ」と「治療」が同時にできる、一石二鳥のテクニックです。

知っておきたいメリット、デメリット

最後に、このスタイルを始める前に知っておいていただきたい「デメリット」も正直にお伝えします。 良いことづくめに思えますが、生活スタイルによっては合わない場合もあります。 □ デメリットは「水やりの頻度」が増えること。乾燥には要注意 最大のデメリットは、「水やりの回数が圧倒的に増える」ことです。 鉢植えなら1週間〜10日に1回で済みますが、板付けなどの吊るすスタイルは、基本的に「毎日(夏場は朝晩)」の霧吹きが必要です。 出張や旅行が多く、家を数日間空けることが多い方は、すぐにカラカラに乾いてしまうため注意が必要です(その場合は、一時的にバケツに水を張って近くに置くなどの加湿対策がいります)。 □ 手間をかける時間が、植物との愛着を深める 「毎日水やりなんて面倒くさい」と思われるかもしれません。 でも、不思議なことに、毎日手をかけて霧吹きをし、葉の様子を観察していると、鉢植えの時とは比べ物にならないほどの「愛着」が湧いてきます。 「今日は根っこが元気だな」「新しい葉が出てきた!」 そんな小さな変化に気づけるのは、毎日お世話をする特権です。手間がかかる分、可愛さも倍増します。 □ 季節によって移動もラクラク。自由なスタイルで胡蝶蘭と暮らそう 軽いので移動が楽なのもメリットです。 冬は暖かいリビングへ、春は風の通る窓辺へ、来客時は目立つ壁へ。 ライフスタイルに合わせて、胡蝶蘭と一緒に部屋の中を移動する。そんな自由で軽やかな「花のある暮らし」を、ぜひ始めてみてください。 きっと、あなたの部屋がもっと好きになるはずです。
宮川将人(有限会社宮川洋蘭 代表取締役)  熊本県宇城市・戸馳島生まれ。東京農業大学卒業後、オランダ・アメリカで洋蘭の研修を経て帰郷。家業の3代目として花農家となり、2007年に妻との結婚を機に「森水木のラン屋さん」を楽天市場にオープン。  以降、農家初となる楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー、顧客満足度最大化賞など受賞。ギフト用の胡蝶蘭はもちろん、自宅で育てられるランの魅力を発信し続け、これまでお客様から頂いた疑問やお悩みにお応えする情報コンテンツをこちらで執筆中。 お問い合わせ先 有限会社 宮川洋蘭ネットショップ: 森水木のラン屋さん https://www.kazenami.live/morimizuki/