焼肉をするとき、肉を焼く前に塩を振る人もいれば、焼き上がってから味を付ける人もいます。
何気なく行っているこの「塩を振るタイミング」。
実は、いつ塩を加えるかによって、肉の表面の状態や味の感じ方が少し変わります。
焼く直前。
焼く少し前。
焼いた後。
同じ肉、同じ量の塩でも、タイミングを変えると違いを感じることがあります。
どれが絶対に正しいというものではありません。
肉の厚さや部位、好みの食べ方に合わせて、自分に合ったタイミングを探してみましょう。
家庭の焼肉で試しやすいのが、肉を焼く直前に塩を振る方法です。
肉を並べる直前に、表面へ軽く塩を振ります。
すぐに焼くため、肉の表面に水分が出る時間が比較的短く、そのまま焼き始めやすいのが特徴です。
塩味も肉の表面に感じやすく、
「まずは肉そのものをシンプルに味わいたい」
というときにも向いています。
最初から多く振るのではなく、少量から始めるのがおすすめです。
足りなければ、焼いた後に追加できます。
塩は後から足せても、振りすぎた塩を戻すことはできません。
では、焼く少し前に塩を振っておくとどうなるのでしょうか。
塩を振った肉をしばらく置くと、表面に水分が出てくることがあります。
これは塩と肉の水分との関係によるものです。
水分が多く表面に残った状態で焼くと、香ばしい焼き色が付きにくくなることがあります。
そのため、
「塩を振ったらすぐ焼く」
という方法が家庭の焼肉では扱いやすい場合があります。
一方、厚い肉などでは、塩をなじませる時間を取る調理方法もあります。
肉の厚さや料理によって考え方が変わるところも、塩の面白さです。
焼き上がった肉へ塩を振る方法もあります。
この場合、肉そのものには味付けをせずに焼き、食べる直前に塩を加えます。
塩が直接舌に触れやすいため、少量でも塩味をはっきり感じることがあります。
肉ごとに塩の量を調整しやすいのもメリットです。
一切れ目はそのまま。
二切れ目には塩。
三切れ目にはわさびやレモン。
そんなふうに味を変えながら食べることもできます。
家族それぞれで好みの濃さが違う場合にも、焼いた後で調整する方法は使いやすいでしょう。
塩を振るタイミングを考えるときは、肉の厚さにも注目してみましょう。
薄切りの焼肉用肉は、火が通るまでの時間が短いため、焼く直前に軽く味付けするだけでも十分に塩味を感じやすくなります。
一方、厚切りの肉では、一口の中に占める表面部分の割合が小さくなります。
そのため、同じ量の塩でも、薄い肉と厚い肉では味の感じ方が違うことがあります。
「焼肉は全部同じ塩加減」
と決めるのではなく、
薄切りは控えめ。
厚切りは状態を見ながら。
と調整してみるのもひとつの方法です。
部位による脂の入り方も、味付けの印象に関係します。
霜降りの多い肉。
赤身中心の肉。
脂と赤身が層になった肉。
それぞれ食べたときの印象は異なります。
脂の存在感が強い肉に塩を合わせると、味が引き締まったように感じることがあります。
赤身の多い肉では、塩を控えめにして肉そのものの味わいを楽しむ方法もあります。
また、レモンやわさび、大根おろしなどを合わせれば、塩だけとは違った印象になります。
肉の部位と味付けをセットで考えると、食べ比べもさらに面白くなります。
違いを知るなら、実際に同じ肉で試してみるのが一番です。
肉を三つに分けます。
ひとつ目は、焼く直前に塩。
ふたつ目は、少し前に塩を振って置く。
三つ目は、塩を振らずに焼き、食べる直前に塩。
できるだけ同じ厚さの肉を、同じ焼き加減で比べてみます。
見てほしいのは、
表面の焼け方。
肉汁の感じ方。
塩味の強さ。
噛んだときの印象。
「意外と違う」と感じるかもしれませんし、「自分には大きな差がない」と感じるかもしれません。
その違いを自分で確かめることが、食べ比べの楽しさです。
焼肉の塩には、「必ずこのタイミング」というひとつの答えがあるわけではありません。
焼く直前に振る。
焼いてから振る。
肉の厚さや部位によって変える。
どれも楽しみ方のひとつです。
家庭で試しやすいのは、まず焼く直前に少量の塩を振る方法。
そこから、
「もっと塩味を感じたい」
「肉の味を先に楽しみたい」
と好みに合わせて変えていきます。
大切なのは、塩をたくさん使うことではなく、肉と塩のバランスを見つけること。
次に焼肉をするときは、一度だけ塩を振るタイミングを変えてみてください。
いつもの一枚にも、新しい味わい方が見つかるかもしれません。