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ハイテン工業のものづくり

公開日:2024/12/04 更新日:2025/04/15
超硬工具の加工を行う田中鉄工所として、田中勘市が昭和25年に創業。昭和38年に「ハイテン工業株式会社」へと社名を変更し、冷間鍛造用超硬金型を主に製造販売してきいる。 鍛造用金型としては衝撃力に弱い従来超硬合金に関し、衝撃力を分散させるための割型形状や圧縮応力を付与するためのインサート技術の確立することで冷間鍛造用超硬金型製作に成功、昭和54年に4件の実用新案特許を取得するなど、この冷間鍛造用超硬金型の供給については圧倒的に高い信頼性を誇る。 超硬金型の製造において品質向上等、要望も多岐にわたる昨今、さまざまな変革とチャレンジを続けている。
超硬金型による鍛造部品は、国内の金属部品に占める割合が非常に高くなっており、とりわけ自動車部品の製造は種類も多岐を極め、ハイテン工業でも、生産金型の6割を自動車関連の金型で占めているのが現状である。そんな中で各部品メーカーのニーズに応じつつ、自動車以外の市場の開拓にも日々、尽力を続けている。
「大阪公立大学や大阪産業技術研究所と連携して、建築・機械部品用長寿命熱間鍛造金型(特許第6128671号)、航空機用部品であるNi合金やTi合金)・光学素子ガラス部品用恒温断熱鍛造用金型(特許第7021757号)の開発を行い、特許を取得しました。これらの技術は建築・航空機・ガラス、その他産業分野の発展に大きく寄与すると確信しています」 そこにはハイテン工業のものづくりの根底にあるマインドが、確かに息づいている。
「金型製品は、一品ごとにお作りするその性格上、納期、コスト、品質などお客様のご要望に対応するためには、設計段階からの入念な打ち合わせが不可欠です。営業スタッフがキャッチしたユーザーニーズをいかに製品に反映させ、いかに納期の短縮化を図るか、これについて技術スタッフが設計・管理業務を通じて実現する意欲がかなり強いと自負しております」 市場ニーズを反映してこそ、独自の高度な技術が輝きを放つのだ。 「今後も当社は顧客の新たな要望を先取りするため、常に技術開発に挑む、『開発提案型企業』として取り組んでいきます」
ハイテン工業株式会社の「KON-KOU」は、通常の金属加工以外にも特徴のある加工を得意とするからこそ世に生まれた独自ブランドだ。現在、プレミアム感溢れるお香立てとして「BALANCE」「堺包丁」がリリースされている。 「アルミ・真鍮・銅という異なる素材で形が異なった物が絶妙なバランスを保ちながら積みあがっている『「BALANCE」』は、一見球が浮いているように見え、どのように固定されているかがわからない面白さがあります。溶接や磁石でくっつけていると思われがちですが、ここで活かされているのが、長年培ってきた弊社特有の嵌め合い技術ですね。これには皆様驚いていただけます。
『堺包丁』では鋭利で洗練されたイメージと模様を、高度な切削加工で表現しています。素材が金属のため、経年の表情の変化を楽しんで頂くこともできます」 これらのプロダクトは、まさしく匠の技(嵌め合い技術・切削技術・放電技術)とハイテン工業マインドのなしえるものであり、さらなる進化の可能性さえ秘めているのである。
ハイテン工業の挑戦の一つとして、「分野を超えて地元・堺の伝統産業を広めたい」という想いを実現したのが、選びぬかれた天然の香料の調合が特色である「堺線香」の魅力を引き立てるプロジェクトだ。ここでは、堺線香の伝統工芸士(奥野晴明堂)がみずから技術を大阪府立堺工科高等学校定時制課程の生徒たちに指導し、手がけた線香を「KON-KOUブランド」とセットにすることを実現した。
「堺で育まれた伝統産業の技術を次世代に繋いでいくための一助にならねば、そんな気持ちはかなりございます」 その線香は、堺市にある「さかい利晶の杜」で栽培された新鮮な茶葉を生徒たちが自ら摘み取り、その茶葉を主原料に香料として使用し、製作した線香となっている。
「私たちの技術とアイデアが、若い力とともに、堺の伝統を支えていくんです。それは、本当に嬉しい仕事ですよ」 そんな言葉が出てくるのは、同社の社風がオープンで、社員同士が自由に意見交換できる雰囲気があるからこそ、だ。新しいアイデアや改善提案が歓迎され、チャレンジ精神を持った社員が活躍できる強みがあるからこその「開発提案型企業」。ハイテン工業の地元愛に根差した挑戦は、絶え間なく続いていく。