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一越で遊ぶ「かさねの色目」”匂”と”薄様” ~グラデーション

公開日:2025/05/09 更新日:2025/05/22
簡単に 日本が誇る美しい「かさねの色目」を説明します 「かさねの色目」 袷(あわせ)仕立ての衣の裏表の色・・・重色目 十二単衣の配色・・・襲色目 どちも「かさねいろめ」と読みます 「かさねの色目」は 100種類を超える配色パターンがあるそうです 平安貴族は  四季折々の自然との一体感を大切にしていて 「かさね色目」のほとんどは 四季の植物を表現したものです 色の名前も 日本では植物名が多いとされています 宮中では 重ね着する色の取り合わせに 色の”移ろい”も取り入れました たとえば 春の訪れを告げる「紅梅」は・・・ 濃い赤色の蕾から 淡いピンク色へと移り変わります これは「紅梅匂」(こうばいのにおい)と名付けられています また”薄様(うすよう)”という着方があります 同色を上からだんだんと薄くして最後の一枚を白にする重ね方です “匂”や”薄様”は グラデーションを意味するのです 今回は「かさねの色目」のグラデーションを一越で遊んでみました (※一越の色と色名は かさねの色目と必ずしも一致していません)

【紅梅の匂】(こうばいのにおい)

「色の順番」 淡紅・濃紅梅・青(現代の緑) ・・・上は淡く 下へ濃く 青き単(ひとえ) 青(あを)~樹葉の深い緑 単(ひとえ)~装束下の肌着用 裏のない衣

【紅の匂】(くれないのにおい)

「色の順番」 濃紅・紅・淡紅・淡紅より淡く・紅梅 ・・・上紅の匂い 下へ淡く 紅梅の単(ひとえ)  紅梅~紅梅の花の色に似て かすかに紫味を含んだ淡い紅の色 紅~紅花で染めた艶麗な赤色 赤(あか・あけ)~太陽のような黄味の鮮やかな緋色

【紅の薄様】(くれないのうすよう)

「色の順番」 紅・淡紅・淡紅より淡く・白 ・・・上紅の匂い 白き 白き単(ひとえ) 紅の濃色のあと このように最後に白がきます

【山吹の匂】(やまぶきのにおい)

「色の順番」 朽葉・淡朽葉・淡朽葉より淡く・黄・青 ・・・上濃く 下へ黄なるまで匂い 青き単(ひとえ) 朽葉~朽ち果てた木の葉のような褐色味の黄橙 山吹色~山吹の花のような冴えた赤味の黄色 黄~古くは支子(くちなし)・刈安(かりやす)(ススキ属)・黄檗(きはだ)・鬱金(うこん)などで染めました

【萌黄の匂】(もえぎのにおい)

「色の順番」 淡萌黄より淡く・淡い萌黄・萌黄・濃い萌黄・紅 ・・・上淡く 下へ濃く 紅の単(ひとえ) 萌黄~萌え出た若葉のような黄味の緑

【紫の匂】(むらさきのにおい)

「色の順番」 濃紫・紫・淡紫・淡紫より淡く・紅 ・・・上濃き紫 下へ淡く匂い 紅の単(ひとえ) 紫~紫根を染料として灰汁と酢で発色させた優艶な紫色

【紫の薄様】(むらさきのうすよう)

「色の順番」 紫・淡紫・淡紫より淡く・白 ・・・上より下へ淡く 白き単(ひとえ) 紫の濃色のあと このように白になります

最後に【色々】(いろいろ)

「色の順番」 薄色・萌黄・紅梅・黄・蘇芳・紅 ・・・各色重なりて 紅の単(ひとえ) 蘇芳(すおう)~南方に生息する蘇芳の木質部を染料に
十二単(じゅうにひとえ)というけれど・・・ 例えば「紅葉重ね八」(もみじかさねやつ)の場合 黄菊 菊1枚 黄3枚 淡き山吹 濃き山吹 淡紅 濃紅 蘇芳 紅の単 順番や 決まりごとがあって 大変! 日本人の色彩感覚 忘れたくないですね そして 古(いにしえ)の色が復元出来たら・・・ なんて素敵なことでしょう!