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作業靴として誕生し、ファッションアイコンとなった"デッキシューズ"とは

公開日:2026/05/29 更新日:2026/05/30
足元から夏を感じる、マリンスタイルには欠かすことの出来ないデッキシューズ。 実はその始まりは「船の上」で使うための作業靴でした。 単なる作業靴からファッションカルチャーへ。 作業靴としてのみならず、ファッションスタイルとしてのアイコンとなったデッキシューズ。 ここでは意外と知られていないデッキシューズの歴史と、当店取扱い商品の中からおすすめのモデルをご紹介します。

デッキシューズの始まり

デッキシューズは文字通りデッキ(甲板)での使用を目的とした靴。 その始まりは1930年代初頭、デッキシューズの元祖として現在も続く"Sperry Top-Sider(スペリートップサイダー)"の創設者であり、船乗りでもあるポール・アリング・スペリー氏が、航海中の船上での転倒事故をきっかけに「滑らない靴」の開発を始める。 濡れた表面でトラクション性能を発揮する靴のデザインを試みるも、何度も失敗を繰り返し、開発は難航。

転機は何気ない日常から

1935年のある冬の午後のこと。 ポール・スペリーは愛犬が凍った雪の上を疾走しているのを見かけました。 なぜ極寒の凍結路面で滑ることなく、駆け回る事が出来るのか? スペリーは愛犬を抱き上げ、足を逆さまに裏返し、じっくりと観察してみると、肉球の表面には亀裂のような溝がランダムに横切っていることに気が付き、ソールに再現できないものかと思いました。 カミソリの刃で板状クレープ・ゴムの上をスライスし、小さな溝を重ねていきました。 いくつかの試行錯誤の末、波状のヘリンボーン・パターンが最もグリップ力が高いということに辿り着く。 そのクレープソールとベーシックなキャンバスシューズを合体して出来たものが、世界初のデッキシューズ誕生の瞬間である。

形状による特徴

1935年に誕生したデッキシューズの原点。 乾き易いキャンバス地を使用したシンプルなデザイン。 1940年にはスペリートップサイダーのデッキシューズが、アメリカ海軍のカジュアル・ユニフォームの公式シューズに指定。
1937年には、最大の特徴である、細かな切れ込み入りのラバーソールはそのままに、レザーアッパーと足を包み込むモカシン構造を採用したモデルが登場。 レザーには耐水性の高い、オイルドレザーが使用される事が多い。 履き口の周囲に革紐を通してフィット感を調整できる360度レーシングも備える。 どちらもデッキシューズだが、近年ではキャンバスタイプを"デッキシューズ"、モカシンタイプを"ボートシューズ"と呼ぶ傾向がある。

作業靴からファッションアイコンへ

1950年代以降、デッキシューズは船乗りだけの靴ではなくなります。 ジョン・F・ケネディなど東海岸のエリート達がプライベートで愛用し、アイビーやプレッピーといったスタイルにも浸透。 こうした流れの中で、デッキシューズは海上の作業靴からファッションアイコンとして、街履きの定番へと広がっていき今日に至ります。 ここからは当店取扱いブランドの中からおすすめのデッキシューズとデッキシューズライクなスニーカーをいくつかご紹介致します。

あとがき

以上、ここまで簡潔ではありますが、デッキシューズの歴史と魅力をご紹介致しました。 デッキシューズは、もともと船乗りの安全を守るために生まれた機能的な作業靴でした。 その後、時代の流れの中でファッションアイコンとして注目され、一般にも広く認知されました。 そしてその原点には、一匹の犬の足裏から得た発想があります。 普段何気なく履いている靴にも、こうした面白いストーリーが隠されています。 次にデッキシューズを見かけたときは、ぜひ「犬の足裏から着想を得て生まれた靴」という歴史を思い出してみてください。 きっと今までとは少し違って見えるはずです。