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《スタッフの偏愛品》レザートートと、そのまわりの話 Vol. 13

公開日:2026/09/24 更新日:2026/09/24
スタッフが実際に愛用している品をご紹介する連載「スタッフの偏愛品」。Vol. 13となる今回は、クラシックスタイルを軸に、ドレスから古着まで自在なミックススタイルを楽しむ、西の“勤勉トラッドマン”上田が登場。約7年ともに時を重ね、自身の暮らしに欠かせない存在となっているという〈グレンロイヤル〉の二つのレザートートについて語ってもらいました。

格好いい大人に学んだ、革鞄との付き合い方

—– それぞれ使い始めてどれくらいになりますか? どちらも7年ほど前ですね。 —– レザーバッグを手にしたいと思った“きっかけ”があったとお聞きしました。 はい、前職のセレクトショップ時代に担当していた顧客様との出会いですね。その方がお持ちのレザーバッグが、本当に惚れ惚れするほど美しかったんです。大切に扱われてきたことが一目でわかる佇まいで、滲み出るような深みがあって。「あぁ、格好いい大人ってこういう道具の付き合い方をするんだな」と衝撃を受けたんです。 そこから自分でも革バッグを持ちたいと思い、「英国」「ブライドルレザー」というキーワードに行き着き〈グレンロイヤル〉を知った経緯がありました。
—– どちらも味が出てていい雰囲気ですね。バッグは毎日持つ派ですか? 「毎日持つ派」ですね。だからこそ、どれだけ見た目が良くても壊れやすかったり、取り扱いに気を遣うものは選ばないですし、逆に丈夫なだけでも愛着が湧かないと感じていて……。このふたつのバッグは、何年経っても使っているイメージが湧きましたし、〈グレンロイヤル〉は見た目の美しさとタフさのバランスが優れているなと感じています。

なんでも受け止めてくれる「懐の深さ」

—– ビッグトートはとくに出番が多いとか。具体的にはどういった部分がいいなと感じていますか? 通勤はもちろん、休日の買い出しや旅行、出張と生活のあらゆるシーンで使っていて。「今日は荷物が増えそうだな」という日や、「シンプルな服装だからバッグで全体を少し引き締めたいな」という日には真っ先に選んでいますね。 タフで色気がありながらも、英国らしい品の良さがあるのでカジュアルにもドレスにも振れる。7年使ってみて実感しているのは、とにかく想像以上に使いやすい、ということですね。 —– 普段、どんなものを入れてますか? ノートパソコン、仕事の資料、ポーチ、本、タンブラーなど、その時々で必要なものをわりとラフに放り込んでいます。大きいので、ストールや軽アウターを入れておくこともありますね。

洗練の2ハンドル、無骨なビッグトート

—– そして、もう一つが2ハンドルトートですね。 はい、ビッグトートの魅力が、“存在感と色気”だとすると、2ハンドルトートは“洗練されたミニマルな美しさ”でしょうか。手で持っても肩にかけてもバランスが崩れず、立ち姿を美しくエレガントに見せてくれるんです。
—– なるほど、それぞれどう使い分けていますか? 2ハンドルトートは、ジャケットやスーツといった少しドレッシーなスタイリングに合わせて、スマートにまとめたい日に持つことが多いですね。逆に、ビッグトートは荷物がたくさん入るので、普段使いでデニムやバブアーなどのカジュアルな服に合わせることが多いです。スタイリングの仕上げにバッグを持って、無骨さや男らしさをプラスする感覚ですね。
—– 上田さんの「トラッド好き」の原体験はどこにあるんでしょうか? 王道かもしれませんが、映画『アニー・ホール』のウッディ・アレンですね。ツイードジャケットを日常着として着ている、あの空気感にはずっと憧れがあります。 —– ウッディ・アレンの着こなしって真似できそうでできない格好良さがありますよね。 そうなんですよね。同じ服を着るにしても、かっちりキメるよりはその人の生き方に溶け込んでいる佇まいに惹かれます。上質なコートを少しオーバーサイズでくたっと羽織るあの感じは、まさに理想のトラッドです。

セオリーをあえて外す、手入れと工夫

—– 普段のお手入れはどうされているんですか? 日常的には埃を落とす程度で、オイル補給は革が乾燥してきたなと感じたタイミングで、半年に一度くらいですかね。その時は、ワックスをごくごく薄く塗るようにしています。 —– とても綺麗だったので、頻繁にケアされているのかと思いました。 お手入れはやりすぎず、最低限というのが僕の育て方ですね。油分は頻繁に入れずに、革自体の体力と、日常で自然に移る自分の手からの脂分を活かす。傷や擦れも気にしない。その方が日常に寄り添った“道具”らしい表情になってくれる気がするんですよね。
—– 「自分らしくなってきたな」と感じる変化はありますか? このマチの折り込みですね。ビッグトートって使い込んでいくと、横の革は外側に伸びていくんですが、僕はあえて内側に折り込むことで、スマートな印象をもたせるようにしています。個人的に、この方が普通の経年変化よりもジャケットやスーツにも合わせやすいんです。 —– 革の自然な伸びとはあえて逆方向に形づくっているんですね。 そうなんです、ちょっとした荒業なので積極的におすすめはしないのですが(笑)。セオリーを敢えて外した、自分なりの楽しみ方ができるのも、頑丈なブライドルレザーの魅力だと思っています。

流行を買うか、人生の道具を選ぶか

—– 最後に、レザートートを検討している方へメッセージをお願いします。 最初は少し硬く感じるかもしれませんが、その先には10年後、20年後の自分を支えてくれる、かけがえのない存在になっているはずです。使い込んで馴染んだ<グレンロイヤル>は、どんな高級バッグよりも、その人自身の生き方や美学を映し出してくれるもの。流行に左右されず、自分の人生とともに歩んでいける道具を持つ豊かさを、ぜひ多くの方に体験していただきたいです。