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グンゼの底力|130年前は生糸の会社だった、日本の下着ブランドの中身

公開日:2026/09/11 更新日:2026/09/11
グンゼと聞いて思い浮かぶのは、人にはよりますが「無難な肌着」と思う人もいるかもしれません。実家のタンスに入っていた、白いシャツとブリーフ。悪くはないけれど、わざわざ選ぶブランドという感じはしない。 でも、そんなことはないんです!編集部一のグンゼ好きを自認する私が、中身を調べてみた結果、やっぱり印象がかなり変わりました。1896年に生糸の会社として始まった企業が、糸そのものを作り替えて、縫い目を消し、汗の抜け道を構造として設計している。しかもそれを、1枚1,000円台の定番でやっています。 この記事では、グンゼというブランドの技術と歴史をたどりながら、いまのメンズインナーのどこにその蓄積が効いているのかを整理します。読み終わったあとに、いつもの1枚を選び直すきっかけになれば十分です。

グンゼは「糸の会社」として始まった

01.1896年、京都の郡是製絲 グンゼの創業は1896年(明治29年)。場所は京都府何鹿郡、いまの綾部市です。創業時の社名は「郡是製絲株式会社」で、創業者は波多野鶴吉、初代社長は羽室嘉右衛門でした。 つまり出発点は下着メーカーではなく、生糸をつくる会社です。2026年で創業から130年になります。 グンゼの主な沿革(グンゼ公式サイトの沿革ページより) 1896年 京都府何鹿郡(現・綾部市)に郡是製絲株式会社を創業 1946年 宮津工場でメリヤス肌着の生産を開始 1952年 ナイロン製フルファッション靴下の生産を開始 1959年・1961年 梁瀬工場、久世工場を肌着事業に転換 1968年 パンティストッキングの生産を開始 1987年 グンゼシルクを解散し、創業以来の蚕糸業から完全撤退 注目したいのは1987年です。創業事業である蚕糸業から完全に手を引いています。生糸の会社が生糸をやめて、肌着の会社になった。 02.だから「糸」で戦っている この経歴は、いまの商品の作り方に残っています。グンゼの新しい技術を並べていくと、生地の縫い方や形の話より先に、糸そのものをどうするかという話が出てきます。 たとえば後で出てくる「アセドロン」は、糸の芯と鞘を作り分けることで汗を処理する素材です。「NextRA+」は機能を持続させる一本の糸をつくるという発想から出ています。半世紀以上を糸に費やした会社の、いちばん得意な戦い方をしているわけです。

「快適工房」は商品名ではなく研究所の名前

グンゼの定番として知られる「快適工房」。じつはこの名前、もともとは研究所の名前です。 公式サイトのブランドストーリーには、グンゼが京都府宮津工場内に肌着の生理学研究所「快適工房」を開設し、快適性を科学的に研究したと書かれています。研究の中身として挙げられているのは、着用圧測定や温湿度測定、そして脳波や心電図の生体信号分析です。 肌着の心地よさを、脳波と心電図で測る。ここが「無難な肌着」の裏側にあるものです。 公式が挙げている快適工房のこだわりは4つあります。 快適工房の4つの技術(グンゼ公式サイトのブランドストーリーより) 高密度な強い生地 度目(生地の密度)単位で生地を研究 二段階漂白技術 白さと肌あたりのための独自の漂白工程 耐久柔軟加工 100回洗濯した際の繊維の傷み具合まで電子顕微鏡で検証し、洗ってもごわつきにくく仕上げる アルゴフォルムカット 独自の「ゆったり設計」による とくに3つめ、100回洗濯したあとの繊維を電子顕微鏡で見るという検証は、下着の評価軸としてかなり珍しいものです。買った瞬間の気持ちよさではなく、100回洗ったあとの気持ちよさを設計している。 快適工房は「快適なきごこち×綿100%×日本製」という価値を守り続けてきたブランドで、25年以上にわたって選ばれ続けていると公式サイトに記されています。
快適工房の半袖丸首Tシャツ(4Lサイズ)。綿100%・日本製・抗菌防臭の定番で、大きいサイズをお探しの方向けの品番です。ゆったり設計なので、体を締めつけない着心地を探している人に向きます。 快適工房には半ズボン下などのボトムスもあり、こちらも綿100%・日本製です。ズボン下を「肌着として」きちんと選びたい方は合わせて見てみてください。

縫い目を消す:カットオフと完全無縫製

01.襟・袖・裾から縫い目をなくす「CUT OFF®」 インナーを着ていて気になるのは、たいてい生地ではなく縫い目です。首の後ろが当たる、裾のラインがシャツに出る、脇の縫い代が擦れる。 グンゼの「CUT OFF®」は、この縫い目そのものを減らす仕様です。公式サイトには、襟・袖・裾に縫い目がないと書かれており、「襟・袖・裾から縫い目がなくなることで、まったく新しい着心地を手に入れた」と説明されています。 しかも上位タイプの「SEAM OFF」では、肩と脇の接合部からも縫い目が無くなっており、これは「完全無縫製®」として商標登録されています。
YGのカットオフVネックTシャツ。襟・袖・裾に縫い目がないタイプで、シャツの下に着たときにラインが出にくいのが特徴です。当社でも在庫を厚く持っている定番です。
同じカットオフのクルーネックTシャツ。Vネックが苦手な方、Tシャツやポロシャツの下に着る方はこちらが合います。 カットオフには、縫い目のない仕様に暑い時期向けの生地を組み合わせたクールタイプもあります。季節でシリーズを替えても、肌当たりは同じ設計のまま使えます。 02.寒い時期はカットオフのまま発熱綿へ カットオフは夏物の技術という印象がありますが、秋冬向けのシリーズにも展開されています。肌当たりの良さは季節を問わないので、寒い時期に厚手のインナーへ変える人ほど効きます。
YG NextRA+のカットオフVネックロングスリーブ。発熱綿を使った秋冬向けで、縫い目のない仕様のまま暖かさを足せます。これからの季節の1枚目に。 首元を出したくない人には、同じNextRA+カットオフのクルーネックタイプもあります。

汗の悩みを構造で解くin.Tとアセドロン

01.Tシャツ専用インナーという発想:in.T Tシャツ1枚で過ごす季節に困るのは、脇汗のシミ、背中のべたつき、そして白いTシャツからインナーが透けること。グンゼのYGには、この状況だけを狙った「in.T(インティー)」というシリーズがあります。 公式サイトでは、汗のシミ、べたつき、ニオイ、肌の透けというTシャツスタイルの悩みを解決するインナーと説明されています。仕様は、縫い目のないカットオフ、脇汗を受ける汗取りパッド、白Tから透けにくいベージュやオレンジの色、そしてボトムスに入れられる長めの着丈です。 性能面で公式が挙げている数字は次のとおりです。 in.Tについてグンゼ公式サイトが挙げている数値 生地の重さ 生地は25%軽量 乾き 乾燥時間を65%短縮 汗取りパッド 吸水量も3.3倍にアップしました 「汗を吸う」だけなら綿でもできます。in.Tが狙っているのは、吸ったあとに早く乾かして、シミにも冷えにも進ませないという部分です。 なおYGのブランドページには、累計出荷数量が1,800万枚を超えたという記載があります。定番として売れ続けている系統であることは数字にも出ています。 02.珪藻土に着想を得た素材:アセドロン もう一つが「アセドロン」です。グンゼはこれを、吸水力に優れる珪藻土の自然パワーに着想した多孔質構造の独自開発素材と説明しています。目に見えない無数の隙間が、衣服内の湿気を素早く吸い込んで吐き出す構造です。 糸の作り方まで踏み込んでいるのがこの素材の特徴です。レーヨンとドライ感の強いポリエステルの混紡で、糸の芯部のレーヨンには吸放湿性を高める物質を結合させ、鞘部には空隙をつくって水の通り道を確保している、と公式は説明しています。 冒頭で「糸の会社だった」と書いたのは、まさにこういうことです。生地の縫い方ではなく、糸の断面から設計している。 アセドロンは2024年の発売初年度でシリーズ累計120万枚超を達成し、2025年3月からVer.2が販売されています。Ver.2では、汗ジミ対応素材をアセドロンの生地で挟み込んだ三層構造の汗取りパッドを搭載した大汗対策商品が加わり、そのパッド面積はメンズ鹿の子商品との比較で従来の約3倍以上とされています。

底力はどこに出るか。まず1枚選ぶならこれ

グンゼの底力がいちばん分かりやすいのは、実は高機能シリーズではなく、いちばん普通の定番かもしれません。綿100%で、価格は1,000円前後。それでも100回洗ったあとを検証している会社が作っている、という前提が効いてきます。 「無難」は、実は簡単に作れるものではありません。糸から作り替え、縫い目を消し、100回洗ったあとまで測る。それを1,000円台の定番でやり続けているところが、グンゼの底力なのだと思います。 いつものインナーを買い替えるタイミングで、シリーズを一段変えてみてください。同じ「グンゼの肌着」でも、中身はだいぶ違います。
お買い物マラソン
  • 更新日:10/04(09/27〜10/03集計)
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    2026/10/04
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    ありがとうございます。
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    2026/10/01
    購入者
    値段に見合わない感じになって仕舞いました
    私の率直な感想ですが、グンゼも御多分に漏れず、段々素材が薄くなり安心感が薄れて来ています。直ぐにかた崩れしてして仕舞います。グンゼも滔々ケチ臭い安物風になって仕舞った事が残念です。
    自分用|実用品・普段使い|はじめて
    注文日:2026/09/20